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遅いインターネット (幻冬舎文庫 う 18-2)

遅いインターネット (幻冬舎文庫 う 18-2)

遅いインターネット (幻冬舎文庫 う 18-2)

作家
宇野常寛
出版社
幻冬舎
発売日
2023-04-06
ISBN
9784344432772
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遅いインターネット (幻冬舎文庫 う 18-2) / 感想・レビュー

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エジー@中小企業診断士

東京オリパラ、トランプ、ディズニー(マーベル)、ポケモンGO、糸井重里などを通してサブカル批評家が提案する遅いインターネット。確かにアテンション・エコノミーを駆動するSNSは速すぎて思考停止に。イギリスのジャーナリスト、ディヴィッド・グッドハートの「Anywhereな人々」「Somewhereな人々」で格差構造を説明したこと、吉本隆明の「共同幻想論」の自己幻想、対幻想、共同幻想で現在の情報社会の基本構成を論じたあたりがポイントか。自己幻想が肥大化したSomewhereな人々には読み書きを唱導するのだ。

2023/12/30

よいおいこらしょ

インターネットは加速していく。昔は連絡手段のひとつに過ぎなかったが、TikTokやFacebook、Twitterのように承認欲求の鉄火場になっている。そうした中、じぶつそのものの価値を見出すためにあえて遅いインターネットを標榜した批評。熟読をしようとする流れに少し似ているか。丁寧な生活としての糸井重里の批評が面白かった。

2023/06/23

dowalf

速すぎるインターネットに翻弄され、思考せず、分誰され続けていくこの国の未来を、何とかできないかと一生懸命考えている著者。未来への一筋の希望…みたいなものが本書の中で明確には出されていないところが、問題の根深さを物語っている気がしました。個人的には現在のインターネット上の相互承認の連鎖を断つために、人間以外の事物とのコミュニケーションを深めよう、という考え方に、字面程には楽ではないと思いつつも惹かれます。

2023/06/07

千本通り

著者にはパネルディスカッションのパネラーとして実際に何度か(会場のリスナーとして)お会いしたことがあるが、常に笑顔を絶やさず、ユーモアを交えたわかりやすい話で好感を持ったものだった。著者の本は今回初めて読んだのだが、正直難解で読み進めづらかった。しかし解説の成田悠輔氏がコンパクトに内容をまとめられていて、エッセンスだけなら解説だけで十分かもしれない。今回書き下ろしの「新章」が追加されたが、キーワードは「庭」だ。

2023/07/22

なつのおすすめあにめ

気になっていたが、単行本を購入しようとしたタイミングでコロナ禍がスタートしてしまったので文庫化を待っていた一冊。コロナ禍とウクライナの戦争について加筆されていて満足。成田先生の解説にあるように、現在の社会とインターネットの問題を指摘しているものの、ではその先は?という感想はある。遅いインターネット、上手くいくといいなと思いつつも、難しいのだろうな、と思ってしまう。しかしやっぱり吉本隆明の『共同幻想論』をSNSに重ねる発想・アイディアが面白い。SNSは使いこなすのは難しい、どうしたらいいのでしょうねえ……。

2023/05/22

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