キリスト教の100聖人 人名でわかる歴史と教え (幻冬舎新書 703)
キリスト教の100聖人 人名でわかる歴史と教え (幻冬舎新書 703) / 感想・レビュー
奏市
結構面白く読めた。買ってよかった。時代毎の聖人について知ることでキリスト教がどのように広まっていったかもわかるようになっている。印象深い聖人の1人、ヤコボス。ペルシアのキリスト教徒。改宗を迫られるも拒み、体を切り刻まれる拷問の末殉教。まず親指を切り落とされた時「指をブドウの木にたとえ、たわわに実がなるよう若枝は切り落とされるのだと言い、イエスに接ぎ木される形で新しい信者が生まれるのだ」と語ったそう。パトリキウスの命日であるアイルランドの重要な祝日の聖パトリックの日。緑のビールを飲むとは。ぜひ飲んでみたい。
2024/02/11
feodor
キリスト教の聖人と聖人崇敬について、カトリックや正教会の伝承を見開き1ページにまとめた新書。初期のイエスの親族や十二使徒あたりから始まり、現代のマザーテレサまで。『黄金伝説』も当然多く出て来るが、著者の視点が独特で仏教など他宗教のものと比較して考えたりする記述もおもしろい。ヨハネス・クリュソストモス(正教会の金口イオアン)の「黄金の口」は「相当に口が悪かった」とまとめられているのとか、なかなかおもしろい。
2023/10/11
kokekko
西洋画を扱っている美術館を訪れると、かならず存在する宗教画。聖トマス、聖ヒエロニムス、聖トマス、聖カタリナ。そのあたりの人たちの背景をざっくり新書の見開き一枚ずつ解説してくれる新書。『黄金伝説』をひきまくっているのに参考文献リストがないとか、おいおいという読後感はあれど、美術の勉強に使うくらいだったら問題なさそうな軽さ。すぐ読めた。
2024/02/16
みのくま
本書はキリスト教の聖人を列挙しただけの簡単な本だが、面白い論考も挿入されており楽しく読んだ。兼ねてから一神教を奉じているはずのキリスト教において、聖人という奇跡を起こすような限りなくキリストに近い存在を公認するのは異端的行為なのではないかと感じていた。本書ではまさに聖人信仰は多神教的な信仰形態であると指摘しており、我が意を得たりである。そもそも一神教と多神教にぼく達が思う程大きな断絶などあるのだろうか。ほとんどすべての宗教は多神教的側面と一神教的側面の双方を併せ持っておりそれが人間の普遍宗教ではなかろうか
2024/03/30
(ま)
venerationのパンテオン...
2023/10/06
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