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透明な存在の不透明な悪意

透明な存在の不透明な悪意

透明な存在の不透明な悪意

作家
宮台真司
出版社
春秋社
発売日
1997-11-01
ISBN
9784393331750
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透明な存在の不透明な悪意 / 感想・レビュー

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白義

酒鬼薔薇事件論を通して語る郊外の風景、現代の都市について。初期の宮台真司らしく、積極的な若者論より、先行の若者論への批判、幻想殺し的なラディカルさが強い。フラットで均質的、画一的な郊外や学校にはストレスが蓄積しやすく酒鬼薔薇事件に共感を生む土壌があるというのはそうかもと思うが、酒鬼薔薇聖斗自体の心理分析には当然のことながら迫れていないし迫っていない。むしろ、後の宮台自身の言説とも異なり、犯罪者と我々に違いがあるかなんてわからないしそういう異端化が無意味だといってるところに本書の価値があるのだろう

2012/07/21

新橋九段

宮台による酒鬼薔薇論の骨子だが、事件から半年という出版時期もあって適当に思い付きを喋っているだけ、まぁ、時間が経ってから議論が精緻になったりしたわけでもないが。

2019/05/11

hommasusumu

ニュータウン。暗い場所の問題。ダークサイドの総量一定。強度。濃密さ。何故現実じゃなくて虚構のほうが好きなのか?現実より虚構が濃密だから。むしろ子供たちにとって、虚構こそが最後の居場所。「虚構、幻想なしに人は生きられない」。自明なものがない時代。少女は現実をチューニングする。男は天下国家とか、観念で下駄を履く。幻想の共有がなくなる。人それぞれ別の物語を生きるようになる。相対化にさらされ、物語にますます固執する。多くの人は近代以降「意味の病」を病み続けている。満腹の飢え。誰もが幸せに確信を持っていない。

2014/09/22

Joao do Couto

1997年に酒鬼薔薇事件を受けて、緊急出版されたということで、その事件の背景をコギャルの生態(プリクラや援交など)や地域の学校化などを交えて考察しているようです。分析に感心しつつも、著者の考えを本当に理解できたとはいえません。同書を再読するというよりは、著者の類書、とくに現在のものを読んでみたいと思いました。

2012/08/27

14歳の中学生・酒鬼薔薇聖斗が起こした衝撃的な事件をメインに話は進んでいる。「さあ、ゲームの始まりです。」と告げたことでマスコミがゲームが悪であるような印象操作を行ったこと、居場所がない人が拠り所にするようなことについても触れられている。引き金と火薬を混同するなと言う独特の言い回しもある。家庭や教育、社会の中で傷ついた心をいかに和らげるかについて、インターネットから有害環境の存在とコミュニケーションの問題についてもコストのかからないテクニックを模索することを考えている。専業主婦廃止にも触れている。

2015/01/06

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