KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

小説のタクティクス (単行本)

小説のタクティクス (単行本)

小説のタクティクス (単行本)

作家
佐藤亜紀
出版社
筑摩書房
発売日
2014-01-09
ISBN
9784480823755
amazonで購入する

小説のタクティクス (単行本) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

K(日和)

んー。難しい。かいつまんで読むような形になってしまいました。小説表現及び表現全般と、「顔」についての話が中心だったように感じました。小説の作例を挙げて検討するのは後半部で少しです。要再読。実際の講義でお話を聴けたらもう少し理解できるのでしょうか。

2016/04/10

harass

大学の講義録をまとめた、前作の『小説のステトラジー』と対になる評論。絵画と映画の話が非常に多く興味深いがちょっと戸惑う。小説論だと思い込んでいたんだが。スピルバーグ『宇宙戦争』の表現の指摘に唸らせられる。リテル『慈しみの女神たち』が米国で評判が良くなかった理由や、伊藤計劃『虐殺器官』をこの作家が擁護しているのは予想外だった。最終章で3・11以降の日本の表現についてのことや小説の今後についての話があるが、実にこの作家らしい。近代人間の状況を文化表現から論じていて久しぶりに知的興奮を覚える良い評論だった。

2014/01/31

かりあ

これは本当にすごかった。『小説の〜』とタイトルについているから、巷に溢れる小説の書き方だと思ったらば大間違いです。そんな単純な本では決してない。確かに小説の読み方の本ではあると思うが、それ以上に、ここに書かれているのは人間の生きる世界の本質、例えば私たちが今、物の溢れる便利な時代のなかでぬくぬくと生き、あえて目を背けていることについての指摘である。購入動機は、書店でパラパラしたときに絵画などがたくさんあったからという不純なものであったが、それ以上の収穫が得られ、心の底から買ってよかったと思った。

2014/02/06

三柴ゆよし

前著『小説のストラテジー』の姉妹篇。『ストラテジー』において展開された、細部から全体、全体から細部へと回帰するストイックで知的な、遊戯としての読みの指南から、本書もまた「戦術」の名にふさわしい、実際的な書物であろうと見当をつけていたが、その予想は完膚なきまでに裏切られた。それも前著以上の興奮をもって。古代ギリシア彫刻からオットー・ディックス、ゴヤにまで至る西洋美術、スピルバーグ『宇宙戦争』、キュアロン『トゥモロー・ワールド』といった映画、ナボコフ、ジョナサン・リテル、伊藤計劃らの小説の読解をとおして(続)

2017/12/19

R

小説はすでに伝統芸能めいた、ある種終わってしまったものかもしれない、なんて悲しげなことを訴えつつ、小説だけでなく、美術、映画、音楽などの表現について考察した一冊でした。難しすぎる。世間に受け入れられているものは、まやかしの嘘で塗り固められた安心して知ることのできるそれではないか、そこをあえて描く、描写するということが小説で可能か、そして読まれるのだろうかとあれこれ考えつつ、求められるものと真実との剥離と、表現の肉薄といったことがまぁ、心配されていたのでありました。

2015/07/29

感想・レビューをもっと見る