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ほとんど記憶のない女

ほとんど記憶のない女

ほとんど記憶のない女

作家
リディア・デイヴィス
Lydia Davis
岸本佐知子
出版社
白水社
発売日
2005-10-20
ISBN
9784560027356
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ほとんど記憶のない女 / 感想・レビュー

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紅はこべ

訳者解説で、リディア・デイヴィスがポール・オースターと付き合っていたことを知ってびっくり。オースター、あんまり得意じゃないんだけど。この中では異色の「ロイストン卿の旅」面白かったけど、結末、つくづく事実は小説より奇なりだ。

2022/01/02

めしいらず

帯に「ちょっとひねくれたあなたに贈る」とある。最初の3編を読んで虜になった。ある命題をどんどん噛み砕きながら執拗に反復するお笑い的手法。言葉のリズムの心地良さ。そこに皮肉はあるけど教訓はない。名前すら与えられらぬ主人公たちは、「私」という肩書きを持つだけの記号のようで、与えられた条件に知らないうちに自分を擦り寄せてしまう、自我という確固とした拠り所を持たぬ存在。「フーコーとエンピツ」「認める」「俳優」「この状態」「自分の気分」が好み。特に「この状態」の淫猥な想像を掻き立てる書き振りと、最後のオチの面白さ。

2017/05/15

まさむ♪ね

作家がポール・オースターの元奥さんっていうのと、マグリットの表紙が気になって。51もの話を収めた短編集。そのほとんどが数頁、短いものは数行のものも。一つ一つの話が心を様々の色のざわめきで染めていく。あの名手コルタサルに出会ったときと似た衝撃。とらえどころなく静かにでも力強く深くえぐるような筆の冴えは、わたしの頭の中をぐりぐりと掻き回す。癖になりそうだ、リディア・デイヴィス。もっと読みたい!と思ったけど、短編集の邦訳は今のところこの作品のみ・・・岸本さん、次の翻訳待ってます。長編『話の終わり』を読みながら。

2015/04/29

Mina

51篇もの短編集。短いものはたったの2行、日記のようなもの、詩的、皮肉めいたもの、事件発生、哲学的… とにかく多彩で、全体的にクール。『田舎のジャック』『他一名』『肉と夫』『失われたものたち』『町の男』『鼠』『この状態』がお気に入り。短い話の方が 様々な受け止め方ができて面白かったかな。少し時間が空いた時に お茶をいただきながら1~2篇… そんな洒落た感じの1冊でした。

2014/10/13

とくとく

再読。全51編からなる、不思議な短編集。それぞれの作品に、なにか力強い主張があるとか、華々しい展開やエンタメ性は特にない。ただ(「共感」という一編の中に書かれている通り)それぞれの作品で語られていることが、私にはなんだか懐かしい。私が昔感じた(もしくは、これから感じるだろう)感傷、はにかみ、苛立ち、疑問などの断片が、作者の言葉によって再び姿を現すから。前よりも、少し明確な形で。

2016/09/25

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