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らんちう

らんちう

らんちう

作家
赤松利市
出版社
双葉社
発売日
2018-11-21
ISBN
9784575241310
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らんちう / 感想・レビュー

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ミカママ

貧困、格差、少し前に流行ったゆとり教育…赤松さんは現代の日本で起きている、さまざまなことに怒っている。それらを全部ぶつけてきて、なおかつミステリーの王道「ホワイダニット」をモチーフのど真ん中に絡めてきたこの作品。下手なあらすじや、作者赤松さんへの予備知識なしに読むのが正解。損はさせない。

2021/03/15

W-G

『鯖』が面白かったので読んではみたものの…。つまらないわけではないけれど何か物足りない。イマイチ鬼気迫るものがないというか、展開が予定調和というか。細かい描写で生々しさがあり「お!」と思う部分もある。ただ、特に殺された総支配人に関して、最終的に読者にどういう印象を持たせたかったのか、そこが中途半端になってしまっている。それもあって、ラストのオチも威力が弱まっていたり、モチーフのらんちうも「あんま関係なくね?」と思わされる。料理人の手をくわえず、素材のまま出された料理といった感じ。

2019/05/06

鉄之助

表紙の強いインパクトに、引っ張られ一気に読んでしまった。面白い! 「ランチュウは奇形の極み」、でいながら「その奇形は誉れ」でもあるという。従業員6人に絞め殺された、総支配人の飼っていたランチュウは2匹で400万円。なぜ? 従業員たちの殺意は生まれたのか…。本文はすべて関係者たちの証言や、取り調べでの供述調書で構成され、数々の謎解きが明らかになる著者の手法は、お見事! 見えていなかった人間の醜さ、真実が、次々と現れる。「ホームレス作家」赤松利市の面目躍如。しばらく、この作家から目が離せない。

2019/10/12

しんたろー

赤松利市さん初読み。旅館総支配人の男を6人がかりで殺した犯人たちの独白で進む形式は、たまに見かけるパターンではあるが、各人のキャラ分けが上手なので「こういう人って、いるいる」と思いながらスッと読めた。読み手に対して巧みに心理誘導しつつ、不穏な要素を散りばめ飽きさせないのも相当な腕前で、現代社会や人間関係に対して痛烈な皮肉を込めた「社会派イヤミス」とも思えた。常々「自己責任」という言葉に突き放されたような嫌悪感があったが、本作でその理由を教えて貰った気がする。自己啓発セミナーへ行く前に読むべき本だろう(笑)

2019/04/25

おしゃべりメガネ

『藻屑蟹』の赤松さん、やはりタダ者ではないですね。こりゃとんでもない作家さんが満を持して登場しましたよ。さて、本作のレビューですが正直書くのが非常に難しい作品です。面白さを伝えるためにレビューを書きたいのですが、そのレビューを書くことによって、伝えたい面白さが減ってしまうのではないかと思われるのです。物語は、とあるリゾート旅館の総支配人が殺される場面から始まり、犯人は勤務する従業員6人。それぞれに語られる事件の真相はいかに。手法はスタンダードでも、最後まで飽きるコトなく、イッキ読み必至な超ド級作品です。

2019/06/15

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