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らんちう

らんちう

らんちう

作家
赤松利市
出版社
双葉社
発売日
2018-11-21
ISBN
9784575241310
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らんちう / 感想・レビュー

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W-G

『鯖』が面白かったので読んではみたものの…。つまらないわけではないけれど何か物足りない。イマイチ鬼気迫るものがないというか、展開が予定調和というか。細かい描写で生々しさがあり「お!」と思う部分もある。ただ、特に殺された総支配人に関して、最終的に読者にどういう印象を持たせたかったのか、そこが中途半端になってしまっている。それもあって、ラストのオチも威力が弱まっていたり、モチーフのらんちうも「あんま関係なくね?」と思わされる。料理人の手をくわえず、素材のまま出された料理といった感じ。

2019/05/06

鉄之助

表紙の強いインパクトに、引っ張られ一気に読んでしまった。面白い! 「ランチュウは奇形の極み」、でいながら「その奇形は誉れ」でもあるという。従業員6人に絞め殺された、総支配人の飼っていたランチュウは2匹で400万円。なぜ? 従業員たちの殺意は生まれたのか…。本文はすべて関係者たちの証言や、取り調べでの供述調書で構成され、数々の謎解きが明らかになる著者の手法は、お見事! 見えていなかった人間の醜さ、真実が、次々と現れる。「ホームレス作家」赤松利市の面目躍如。しばらく、この作家から目が離せない。

2019/10/12

しんたろー

赤松利市さん初読み。旅館総支配人の男を6人がかりで殺した犯人たちの独白で進む形式は、たまに見かけるパターンではあるが、各人のキャラ分けが上手なので「こういう人って、いるいる」と思いながらスッと読めた。読み手に対して巧みに心理誘導しつつ、不穏な要素を散りばめ飽きさせないのも相当な腕前で、現代社会や人間関係に対して痛烈な皮肉を込めた「社会派イヤミス」とも思えた。常々「自己責任」という言葉に突き放されたような嫌悪感があったが、本作でその理由を教えて貰った気がする。自己啓発セミナーへ行く前に読むべき本だろう(笑)

2019/04/25

修一郎

赤松さんの描く地方の寂れた旅館で働く従業員たちの姿は生々しい。就職超氷河期を経て非正規雇用を転々としているロスジェネ(ロストジェネレーション)30~40歳代が直面する貧困がリアルに表現されている。自分の時間を換金することに慣れてしまった人たち,人生を好転する方策に乏しく視野狭窄に陥った人たち,自己啓発セミナーの胡散臭さも,インチキに搾取される人の気持ちも,御自身が実際に経験された赤松さんならではの臨場感だ。現実に闇を見てきたという赤松さんの引き出しはまだまだあるそうだ。まだまだ読みますよ。次は「鯖」。。

2019/09/23

しんごろ

まずは、この作品をモヤモヤしながら“突破”して読めたことにホッとしました。日本の社会問題をこんな風に提起してきたかと思いました。そして、意外な人間がまともに見える。人は見かけによらぬものだな。人の心には、らんちうのようにグロテスクな部分があるのかもしれないですね。そんなの心を清らかにするために自己啓発セミナーには、行かないぞ。マインドコントロールされちゃうかもしれないですしね。何を信じていいのやら、疑心暗鬼にさせられる物語。疑心暗鬼から、とにかく突破、突破。

2019/11/17

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