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まずはこれ食べて

まずはこれ食べて

まずはこれ食べて

作家
原田ひ香
出版社
双葉社
発売日
2019-12-18
ISBN
9784575242355
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「まずはこれ食べて」のおすすめレビュー

ベンチャー企業に「家政婦」⁉ おいしいごはんに心が癒される…だけじゃない! 登場人物の葛藤と秘密が重なり合って思いもよらぬ結末が……

『まずはこれ食べて』(原田ひ香/双葉社)

 主人公なのになんて性格の悪い女なんだ……と最初は思った。『まずはこれ食べて』(原田ひ香/双葉社)の胡雪である。学生時代の仲間と立ち上げた医療系ITのベンチャー企業の紅一点。社長が殺伐とした社内の雰囲気を変えようと仕事場に入ることになった家政婦さんの仕事ぶりに胡雪は「プロのくせにこんなこともできないのか」とにやりとしてみたり、食事の説明をされただけで「私が女だからか!」と怒りだしたりする。

 女というだけで家事の手伝いを押しつけられないようにする、というのはわかるけれど、ちょっと過敏にも程があるのではないか。と思いながら読み進め、ふと気づく。矛盾した怒りをもてあましている人の多くは、深く傷ついている人だ。痛みを知っている人ほど優しくて強い、とはいうけれど、怒りの渦の最中にいるときは、誰だって自分にすら優しくできない。

 胡雪は、才能のある仲間にくらべて会社に貢献できない自分を恥じている。女としての自尊心も低い。自分にだけ何もない、でも立ち止まっているわけにもいかないというしんどさを、虚勢をはってやりすごしている…

2020/2/24

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まずはこれ食べて / 感想・レビュー

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fwhd8325

食事をテーマにした小説なので、軽く構えていましたが、おっと、そうは問屋が卸さないと言わんばかりの内容でした。なかなか、ビターな感じがいいです。深夜の時間帯に映像化したら受けそうな内容だな。

2020/04/18

とろとろ

超多忙なベンチャー企業を立ち上げた仲間の時々の思いが連作短編集になっていて、そこに雇われた家政婦が最も重要な人物ということになるのかしら。ひとりひとりの話に、この家政婦の料理が絡まって、ほっこりする話にまとまっているのだが、最後のオチが「それはねぇよ」って思うのは自分だけ?。いままでのほっこりは何?。これはあまりにも話の進展とは趣旨がかけ離れている。ここまで、ほっこり話を進めてくれているのなら、最後も、ほっこり話でよかったのに、奇をてらったオチで今までの話が台無しになってしまったのではないかと思った。

2020/08/29

いつでも母さん

カバーの絵や帯にすっかり油断して、家政婦・筧さんの料理に気持ちを持ってかれそうになりつつ読んだら・・あらら!癒しとガンバレ~!だけではなくて、エピローグではあんぐりの感だった。ベンチャー企業『ぐらんま』創業者の一人で行方不明中の男・柿枝駿の顛末は心が寒々とした。柿枝も筧さんの手料理を食べていたら改心したかも・・なんて思ったりもしたけれど。後日談も知りたい。田中が感じた『米や出汁はなぜこんなにも人の心を動かすのだろう。』は私も共感してしまう。

2020/01/22

おしゃべりメガネ

装丁やタイトルからして、ほんわかほっこり系かなと読み始めましたが、あれれ?ちょっと違う雰囲気かなと。食事の描写は原田さんならではの生唾ごっくん、ヨダレだらだらになるコト間違いなしですが、いかんせん人間ドラマがちょっと中途半端だったように感じました。とある経緯からベンチャー企業で働く従業員のために家政婦として、完璧な家事を行うために派遣されてきた「みのり」さんは食事を通じて、みんなのココロを和らげていきます。中盤からラストにかけて、ちょっとミステリー要素っぽいのが入りましたが、この部分必要だったかなぁ。

2020/01/23

モルク

ベンチャー企業に雇われた家政婦の筧みのり。学生時代の仲間が立ち上げた企業だけあって仲良く、仕事も順調らしいが…。時間もとれず、公私の生活もごちゃごちゃになりがちな彼らを、心のこもった美味しい料理で平常を取り戻し、それぞれの心の中のわだかまりを癒していく。しかし、後半に行くにしたがって不穏な空気が漂いはじめる。美味しそうな料理とミステリー?そして、意外な方向へと進む。いやな気持ちでいっぱいになる。が、山で桃田が食べた辛ラーメン、海苔とチーズのトッピングが美味しそう!

2020/10/09

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