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それでも旅に出るカフェ

それでも旅に出るカフェ

それでも旅に出るカフェ

作家
近藤史恵
出版社
双葉社
発売日
2023-04-19
ISBN
9784575246193
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「それでも旅に出るカフェ」のおすすめレビュー

旅に行けなくても、わたしは自由! コロナ禍&ポストコロナの鬱屈を晴らす世界の料理の“おいしい”カフェ物語

『それでも旅に出るカフェ』(近藤史恵/双葉社)

 遠くに出かけられないコロナ禍という時間に、翼をもがれたような不自由さを感じていた。旅もできない。外食もできない。思うように人にも会えない。そんな時間が少しずつ終わりを見せようとしているのに、未だに身体が縮こまったまま、元に戻らないでいる。

 そんな人にこそ読んでほしいのが、『それでも旅に出るカフェ』(近藤史恵/双葉社)。世界の珍しいメニューを提供するカフェを舞台としたコージーミステリーだ。『ときどき旅に出るカフェ』(近藤史恵/双葉社)に続く物語だが、コロナ禍を描き出す本作だけを読んでも、きっと共感させられる。どこにいたって、誰といたって、自由な自分でいたい。読めば、そんな思いがふつふつと湧き上がってくるに違いない。

 物語の中心となるのは「カフェ・ルーズ」。オーナーの葛井円があちこちを旅して知ったいろんな国のスイーツや飲み物を再現している評判のカフェだ。円の元同僚で常連の奈良瑛子は、コロナ禍に入ってから長らく休業を続けるこのカフェのことを心配していた。営業が再開したら、また足繁く通おう。そう思っていた…

2023/4/19

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それでも旅に出るカフェ / 感想・レビュー

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さてさて

店主である『円があちこちを旅して知ったいろんな国のスイーツや飲み物を再現して出している』という『カフェ・ルーズ』を舞台にしたこの作品。そこには、そんなお店の常連でもある奈良瑛子の視点から見た『コロナ禍』を背景とした物語が描かれていました。前作同様に世界のあんな食べ物、こんな食べ物が盛りだくさんに登場するこの作品。『コロナ禍』の中で人々の感情が少しづつ変化していく様が細やかに描かれていくこの作品。平穏な日常が戻った『カフェ・ルーズ』に是非とも訪れてみたい、そんな思いがひしひしと募る美味しさ満載の作品でした。

2023/04/22

旅するランナー

「旅は、いろんなものを棚上げにできるから好きなんです」なんて言ってる、主人公は世界各地の愛されフードを自分なりにレシピ化し、カフェで提供します。棚から出た前向きなぼた餅なのです。表紙写真のスロベニアのブレッドケーキを始め、ロシアのリージェンカ(飲むヨーグルトのような発酵乳)、中国·台湾の湯圓(お祝いの時に食べる団子)、フランセジャーニ(ポルトガル版クロックムッシュ)など、食べてみたくなります。コロナ禍·ウクライナ進攻の閉塞感を描きつつ、それでも旅する気分になれる、素敵な清濁併せ呑む、10短編になってます。

2023/05/23

OSOGON15

ときどき旅に出るカフェの続編、シリーズ2作目。10章の短編連作。コロナ禍に突入してカフェ・ルーズも一時閉店へ。それでもキッチンカーで営業したり焼き菓子のネット販売でピンチをしのいでいた。懸命に努力しながらやっとカフェの再開に…1作目の話の内容はあまり思い出せないが、いろいろな国の美味しいご飯とスイーツとドリンクは相変わらず楽しい話だった。だけど今回はコロナ禍の話だからか少しモヤッと感が残ったような…次回はもっと明るい気持ちで読みたい。

2023/11/29

ひさか

小説推理2022年1〜12月号掲載のものに加筆修正して2023年4月双葉社刊。再会のシュークリーム、リャージェンカの困難、それぞれの湯圓、湖のクリームケーキ、彼女のためのフランセジーニャ、鳥のミルク、あなたの知らない寿司、抵抗のクレイナ、クルフィの温度、酸梅湯の世界、の10の連作短編。前作から5年目のシリーズ2作目。続きがあれば読んでみたかったのですが、前作は、こんなにイヤミスめいた内容だったか?いや違うと思うな。も少しがんばりお仕事系だったと思う。少し残念。

2023/08/01

のぶ

「ときどき旅に出るカフェ」の続編。舞台は前作と同じくカフェ・ルーズ。主人公も変わらず奈良瑛子。オーナーの葛井円との交流や事情を抱えた客達の人間模様を交えて描かれる連作短編。聞き慣れないお洒落そうなドリンクとスイーツが用意され、軽めの謎を含んだ会話が展開される。前作と変わっているのは、コロナ禍で営業状況が大きく変わっているところ。それを除けば作品は前作からそのまま繋がっていると思って間違いないが、読み終わっての感想は内容が思った以上に薄っぺらく感じてあまり残らない。シリーズはこの先も続くのか?

2023/05/07

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