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ヨモツイクサ

ヨモツイクサ

ヨモツイクサ

作家
知念実希人
出版社
双葉社
発売日
2023-05-17
ISBN
9784575246315
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「ヨモツイクサ」のおすすめレビュー

決して踏み入れてはいけない伝説の「ご神域」。その禁を犯した人々の代償を描いた知念実希人氏の最新小説

『ヨモツイクサ』(知念実希人/双葉社)

 ここから先、立ち入るべからず。神社の裏手などにこうした看板が掲げられているのを見たことはないだろうか。そうした場所はいわゆる「ご神域」。神の領域とされ、ヒトの立ち入りが禁じられている。もしもこのご禁制を破ってしまったらどうなるのか。知念実希人さんの書き下ろし最新作『ヨモツイクサ』(双葉社)は、こうした禁を犯してしまった人々の大いなる代償からスタートする衝撃作だ。

 北海道旭川には《黄泉の森》と呼ばれるアイヌの人々の禁域があった。この森に入り込むと「ヨモツイクサ」という鬼に貪り食われるといわれ、地元の人々に恐れられていたのだ。だがそんな森にもリゾート開発の手が伸びる。地元の反対を押し切った大手ホテル会社は作業員を送り込み開発のベースを築くが、あろうことか作業員たちは《何か》に蹂躙された痕跡だけを残して全員消息を絶ってしまう。巨大ヒグマの仕業か、あるいは「ヨモツイクサ」が現れたのか……実は黄泉の森のそばでは、7年前にもそばに住む酪農一家が忽然と姿を消す神隠し事件があり、ひそかにヨモツイクサの仕業と噂されていたの…

2023/5/16

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禁忌の森に潜むものは“起こりうる悪夢”を描くバイオホラー『ヨモツイクサ』知念実希人インタビュー

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年7月号からの転載になります。

 気鋭の新人が相次いでデビューしているのに加え、他ジャンルで活躍している書き手も参入し、ますます盛り上がりを見せている国内のホラー小説シーン。この波にまた一人、新たな人気作家が加わった。『ヨモツイクサ』はミステリー界でヒットを連発する知念実希人さんが、初めてホラーに挑んだ作品だ。

取材・文=朝宮運河 写真=種子貴之

「別にジャンルにこだわっているわけではないんですよ。これまでミステリーを中心に書いてきましたが、自分にとって面白い小説を書きたいというのが一番のモチベーション。ホラーは読むのも観るのも大好きで、いつか挑戦したいと思っていました。医師として得た経験や知識も、ミステリーだけでなくホラーにも役立つだろうという気がしましたしね」  その言葉のとおり『ヨモツイクサ』は、生物学的な仮説に現役医師作家ならではの知識を盛り込んだ、本格バイオホラーになっている。 「人間や幽霊の怖さを描いたホラーがよく書かれているのに対して、この手の理系ホラーは今あまり多くないですよね。しかし瀬名秀明…

2023/6/7

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ヨモツイクサ / 感想・レビュー

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starbro

知念 実希人は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者初のバイオ・ホラー、思ったほどは怖くありませんでした。しかし生きながら内臓を食い千切られるのは厭だなぁ。 https://www.futabasha.co.jp/book/97845752463150000000

2023/06/25

bunmei

これが知念作品かと思う程、衝撃的な戦慄のモンスターホラー。スプラッター的なグロさは半端なく、生きながら食い殺される殺戮シーンは、文章から目を背けたくなるほど。黄泉の森に伝わる忌まわしい生贄と怪物伝説を基に、実在する巨大人喰いヒグマの恐怖、そこに7年前に起きた一家失踪事件や森の開発作業員の惨殺事件を絡め、伝説であった怪物の正体が次第に衝撃的な姿となって明らかになる。その中でも専門的な医療や生態学を駆使し、怪物にリアリティーさを投影しているのが知念作品。ラストの驚愕の真実に、本作の本当の恐怖が隠されている。

2023/06/04

まちゃ

ホラーとしても、ミステリとしても読み応えのある作品でした。まんまと騙され、最後にゾッとしました。アイヌの人々が怖れた禁域《黄泉の森》。そこで繰り広げられる未知の生物との死闘。「遺伝子の水平伝搬」など、著者らしいアイデアだなと思いました。一日で読了。

2023/07/09

モルク

アイヌ伝承の禁域黄泉の森でリゾート開発工事をする作業員たちが羆に食害されるという事件が発生。外科医茜が7年前突然失踪した家族を求め、妻を目の前で羆に食べられた猟師鍛冶とともに因縁の羆あさひを追う。そして羆をも襲い内臓を貪り啜るとんでもないものが…。ヨモツイクサ、イメルヨミグモ、アミタンネ次々と出てくる禍々しきものとのバトルが繰り広げられる。まさに死闘であり描写はグロい。そしてその上をいく凄まじい展開、なんて恐ろしい結末。この恐怖はまだ消えてはいない。異色の知念作品。

2023/10/10

とろとろ

話の初めは人食い熊の話でOSO18の記事が引き金になったのかと思っていたが、それが発光するクモの話になって、なんだか荻原浩の「楽園の下」みたいに巨大になるのかと思ったら、次は映画のエイリアンみたいに人間の腹に卵を産み付けて寄生するんだと。人食いグマの餌場の描写もグロかったが、人間に寄生するともっとグロい描写になるということが判った。本当にバイオ・ホラーな話だった。でも、なんだか先が読みたい、ちょっとのグロなら我慢して読んでしまいたい。結末が知りたい、となって、結局一気読み。あ〜っ、怖かった。で、続き?。

2023/12/22

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