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月蝕楽園 (双葉文庫)

月蝕楽園 (双葉文庫)

月蝕楽園 (双葉文庫)

作家
朱川湊人
出版社
双葉社
発売日
2017-08-05
ISBN
9784575520217
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月蝕楽園 (双葉文庫) / 感想・レビュー

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ポップノア♪@停滞中

夏が来れば読みたくなる朱川さん。お得意のノスタルジックさは無いが、どの話も息苦しく救いが無い。中でも性同一性障害の弟の話は大いに先が気になった。ラストは哀しいと言うよりも切なさで胸が締め付けられる。いくらフィクションでももう少し希望があっても良いのにと。主人公が蜥蜴(とかげ)の話は「?」の嵐だったが、謎が解けるとそんな世界が有り得るのかと驚愕した。結末を知った上で読めば更におののくと思うので再読はしません! その他、猿顔で自分に自信が無い男の転落人生や、フェチの話、42歳の主婦なのに実は〇〇な話の全5編。

2020/07/30

あも

郷愁、郷愁うるせえよ、という朱川さんの声が聞こえてきそう。あの作品もその作品も、柔らかなセピア色したノスタルジーの皮を剥ぎ取ればそこにあったのは暗い闇。そんな朱川ールドの本質を突きつけられる5編のダークな恋愛奇譚。後輩女子社員の手指に執着するお局OL、性同一性障害の弟と姉、趣味にしか興味の無い夫と一度も経験せず処女のまま20年経った妻。そして蜥蜴を愛し主人を愛する蜥蜴のグロテスクで淫靡な物語はオチもまた秀逸。歪さはなぜ人を惹きつけるのだろう。太陽の光を浴びることのない歪んだ愛は哀しくて、だからこそ綺麗だ。

2019/08/23

アッシュ姉

朱川さん19冊目は異色の恋愛小説集。静かに激しく燃える想いが悲しく切なく響く四編。独特でとても不思議な読み心地で、相反する背中合わせの言葉ばかり浮かんでくる。偏愛のようで純愛、グロテスクなのに儚く美しい。悲しい結末のようで楽園に旅立ったようにも思える。どれも強烈なインパクトがあったが、一番衝撃を受けた「夢見た蜥蜴」と結末が印象的な「みつばち心中」がお気に入り。初読みには刺激が強すぎるが、朱川さんファンには是非ともオススメしたい。

2018/04/23

papako

作者の作品は何冊か読んでいたけど、こういう短編集って初めてだったのかも。すごくよかった。歪な愛の短編集。一番好きなのは『みつばち心中』笑いながら屋上に向かう美也子さん、お幸せに。『蜥蜴』怖いよ!ネズミの丸呑みなんて!『孔雀』切ないなぁ。どれも歪んでいるけれど、確かに『愛』なんですよね。じっくり読まされました。

2021/03/29

TATA

朱川さんの作品らしくミステリアスな雰囲気は感じられるものの、いつものノスタルジー感がなくってダークな恋愛短編5編。各話ともどっぷりと沈んでいく結末でスッキリしないです。いつもの作風から敢えて少し変化を付けたのかな。こちらの作品は黒朱川ってことで。

2019/08/17

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