読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ

拳に聞け! (双葉文庫)

拳に聞け! (双葉文庫)

拳に聞け! (双葉文庫)

作家
塩田武士
出版社
双葉社
発売日
2018-07-12
ISBN
9784575521276
amazonで購入する Kindle版を購入する

あらすじ

芸人になることを諦めた池上省吾は、便利屋でアルバイトをしていた。ある日、古びたボクシングジムの前で佇む女性を見かける。聞くと、ジムに立ち退きを迫っているらしい。一枚かんで金儲けをしようとジムに通うようになる省吾だが、そこでひとりの若いボクサーと出会い、ボクシングに魅力を感じ始める。やがて省吾自身の中であることが……。『罪の声』の著者が、綿密な取材を重ねて描いた意欲作。息を詰めるボクシングシーンや人物の深い心理描写はまさに圧巻!

「拳に聞け! (双葉文庫)」のおすすめレビュー

夢を追う人びとの成長と再生の物語に興奮する! 塩田武士のボクシング小説『拳に聞け!』

『拳に聞け!』(塩田武士/双葉社)

 7月に文庫化された『拳に聞け!』(双葉社)は、『罪の声』『騙し絵の牙』といったベストセラーで知られる作家・塩田武士が、ボクシングをモチーフにして描く人間ドラマだ。

 物語の語り手となる池上省吾は、35歳の中年男性。高校時代の後輩が社長の便利屋で、アルバイトをしながら冴えない毎日を送っている。そんな省吾が寂れた商店街をぶらついていると、古びたボクシングジムの前に怒りを漂わせながら立っている女性、優香と出くわす。どうやら家賃滞納をしているジムに立ち退きを迫っている様子。そんな優香の追及をのらりくらりとかわすジムの経営者である新田貞次郎は、偶然にも以前に省吾が営業車で危うくひきかけた男だった。

 優香に話を聞くと、ジムのある場所で夢である“定食屋”を開くつもりだという。便利屋の仕事として立ち退きを引き受け、さらに貞次郎のジムの整理まで手伝えば、いくらかの金儲けになる――そう考えた省吾は再び貞次郎のジムを訪ねるが、立ち退きはあっさり拒否され、逆にジムの再建を手伝ったら金を出すと提案される。ジムはどう見ても閑古鳥そのものだ…

2018/9/11

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

拳に聞け! (双葉文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

のり

立ち退きを迫られる「ボクシングジム新田」。選手は息子の「勇気」一人だけ。父親でジム会長の「貞次郎」は金もなければ協会にも顔が利かない。偶然ジムの前で知り合った訳ありの「優香」と便利屋の「省吾」は新田ジムを支える立場となる。勇気はセンスもあり金の卵でもある。脇役達も大阪ならではのボケ・ツッコミがあり和ませてくれる。デビュー戦からタイトル戦までの成長記でもある。減量の苦しみはハンパない。近年の「井上尚弥」以外の試合を観るより、よっぽど熱が入る。

2019/03/11

10$の恋

大阪下町のボクシングジム(ショボい)。その「新田ジム」の存続危機に、便利屋の省吾と横浜の優香たちが関わる。そんな中、ジムのホープ"勇気"に期待がかかる。会長の息子だ。貧乏ジムの運命を背負い、背水の陣で挑んでいく。果たしてジムの救世主となるのであろうか!?いつもながらスカタンと会話の妙は塩田作品の真骨頂だ。と言っても破茶滅茶ではなく、仲間達や応援者と共にあ〜だこ〜だで山あり谷ありのストーリーが進み、試合描写もなかなかリアルで非常に良い。しかし勇気は純朴でエエやっちゃな〜、右肩上がりに感情移入させてもらった。

2018/11/10

シキモリ

著者初読み。大阪の貧乏ボクシングジムを舞台に青年ボクサーの成長とうらぶれた中年の再生を描くスポ根人情もの。題材のボクシングを差し置き、パンチの代わりにこれでもか!とボケとツッコミの応酬を繰り広げる登場人物たちだが、その所為で肝心の物語はかなり大味で予定調和。しかし、クライマックスに待ち構える因縁試合のカタルシスには思わず胸が熱くなった。未読ながら「罪の声」の硬派なイメージとは大凡結び付かない作風に驚くばかり。作中で少年隊の楽曲「湾岸スキーヤー」をしつこくいじり倒すシーンはさすがに笑ってしまった。(^ ^)

2018/08/09

Kazuko Ohta

芸人の話もボクシングの話も今やアリアリで、ちっとも珍しくはありません。まず『火花』や『笑う招き猫』を思い出し、便利屋に『まほろ駅前多田便利軒』、そして当然『ボックス!』を思い出す。下町の雰囲気には『泣いたらアカンで通天閣』、時に『戸村飯店 青春100連発』まで連想。だけど寄せ集め感ゼロ。ちょっとそこいらにはおらんぐらい素直な少年の夢に大人が乗っかりまくり、みんなが再び夢を追いかける。読み終えたときには彼らと一緒に3年間を過ごした気持ちに。読み手を置いてけぼりにしない熱さがありました。私の「どストライク」。

2018/07/30

hiroy

あれ?ボクシング小説ちゃうかったかな?と冒頭。それから程よく時間が経ってやっぱりボクシングや、となってからが長~い。切れ味鋭く小気味よく気の利いた、それでいてどこかユーモアのある塩味っぽい文章ではあるが内容が冗長。息子がうまいのは分かったから早よどうにかなれや、と思っていたらようやく場面転換。ああ忘れとったがな。ここに繋がるんやなと気を取り直してからが面白い。ガーっ!と最後まで一気に読ませてくれてそれなりにカタルシスは得られるがこの人の将棋の方が好み。だがヒロインは実写で見たい。ラウンドガールもついでに。

2018/11/29

感想・レビューをもっと見る