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301号室の聖者 (双葉文庫)

301号室の聖者 (双葉文庫)

301号室の聖者 (双葉文庫)

作家
織守きょうや
出版社
双葉社
発売日
2022-08-04
ISBN
9784575525939
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301号室の聖者 (双葉文庫) / 感想・レビュー

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タイ子

新米弁護士・木村が今回手掛けるのは医療過誤で訴えられた病院側の弁護。初めての案件に戸惑いながらもやる気は満々。よし、その意気だ木村弁護士、と2巻目にして早くも感情移入気味の私。案件に関して病院に通い始めた木村が出会う何人かの入院患者とその家族たち。そして、続けて起こる高齢者の死亡。それは事故か、家族による故意なのか。ミステリを読むと言うよりは親の介護と最後まで看取る家族の思いが現実的に描かれていて胸が痛くなる。医療従事者の苦労も挙げながら木村・高塚が事件に挑む。その中で1人の少女の存在の何と大きい事か。

2023/01/24

aquamarine

医療看護訴訟を担当することになった新米弁護士・木村。訴訟は看護士が補助をしていた高齢者の食事中の誤嚥、窒息死。誤嚥が死と隣り合わせでありどれだけ気を付けていても簡単に起こることを私は知っているし、延命措置のなんたるかも、理解しているつもりでいたが、患者の家族の迷いと葛藤は本当に明日は我が身、きつかった。物語は病院へ聞き取りに通ううち続けて起こる同じ301号室での死、別病棟の少女との小さな交流等を通じて、木村が学び成長していく様が描かれる。誰もが向き合わなければならない老い、病気、死。読後読む題名が沁みる。

2022/12/02

ma-bo

新米弁護士木村と先輩弁護士高塚のシリーズ第2弾。前作は連作短編集だったが今回は長編。木村は医療過誤の損害賠償請求事件を担当する事になり病院を調査するが、医療従事者の苦労や責任の有無の難しさを痛感。そんな中続けて起こる不自然な死亡事故。事故か?故意か?延命治療での家族の苦悩。死亡事故の答えが分かった時、真実を明らかにすることを迷い、弁護士としての正義に対する木村の葛藤。そして病院で知り合った長期入院する少女との交流と、最期に依頼された想いに涙。

2023/02/05

えみ

それは救済か、拷問か…。きっとこれは答えを出すことのできない問題だ。永遠とわたしたちへ問い続けるのだろう。救いか、苦しみか…。医療事故が多発する301号室の謎を解き明かすとき、その答えを出すことの怖さを知る。どの立場でどの判断を下し受け入れる?患者とその家族の苦しみと医療の限界、理想と現実の間にはこんなに深い溝がある。切ない社会問題を新米弁護士・木村龍一の視点で描くリーガル・ミステリ。その死は事件か、事故か。ある可能性に気付き葛藤する木村の気持ちに深く同情する以外、この展開にどんな感情を持てただろうか。

2022/10/03

★Masako★

★★★★‪☆ 木村&高塚弁護士シリーズ第二弾。新米弁護士の木村は、医療(看護)過誤訴訟を担当することに。病院へ話を聞きに行くうちに、事件の起きた301号室で不自然な医療事故が起き、患者が続けて亡くなる。全て医療ミスなのか? 真実が知りたい木村は、先輩弁護士の高塚に相談しながら謎を究明しようとするが…。延命治療、死と向き合う患者と家族の姿、医療従事者の現実、そして病院で知り合った中学生の少女・由紀乃の存在。様々な事に直面し、悩み葛藤しながら成長していく木村から目が離せない。重く切ないリーガル・ミステリ♪

2023/01/14

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