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山猫珈琲 上巻 (双葉文庫)

山猫珈琲 上巻 (双葉文庫)

山猫珈琲 上巻 (双葉文庫)

作家
湊かなえ
出版社
双葉社
発売日
2019-12-11
ISBN
9784575714821
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「山猫珈琲 上巻 (双葉文庫)」のおすすめレビュー

未発表作品も収録! 湊かなえの源泉に触れられるエッセイ集『山猫珈琲』がついに文庫化

『山猫珈琲』(湊かなえ/双葉社)

 単行本と文庫本合わせた累計部数は358.7万部。松たか子主演で映画化されたデビュー作『告白』をはじめ、湊かなえさんの小説が軒並み映像化され、国内にとどまらず海を越えて支持されるのは、そこに「人間」が描かれているからだと思う。優しくされて嬉しいとか、蔑ろにされて苦しかったとか、誰もが抱くシンプルな感情がちょっとした捻れで幸福にも悲劇にも変わる。その危うさが他人事ではない形で描かれているから「自分も、あの人も、もしかしたら」と思いながら読者は夢中になって読んでしまう。そんな作品の源泉に触れることができるのが、デビュー10周年を記念して刊行されたエッセイ『山猫珈琲』(双葉社)だ。

 たとえば、「三種の神器」の話。27歳のとき、赴任した淡路島で地元の男性と結婚した湊さん。実家は県外、友人・知人もいないなかで、最初のころは三日に一度は泣いていたが、30歳を過ぎたある日、1年泣いていないことに気づいたという。それは「聞き流す」「やり過ごす」「なかったことにする」という技(三種の神器)が身についたからというエピソードには多くの…

2020/1/6

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山猫珈琲 上巻 (双葉文庫) / 感想・レビュー

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さてさて

『田舎の長男の嫁です』とご自身のスタンスを書かれる湊かなえさん。全体として終始落ち着いた文章でまとめられているこの作品。笑いが止まらないとか、かっ飛んでいるとかではなく、湊さんの色んな考え方に淡々と触れることができる、そんな姿勢が一貫していたこの作品。とても真摯に物事を捉えられる方、そういう印象を受けるとともに「絶唱」という作品に込められた湊さんの強い思いに改めて感じ入りました。「絶唱」「山猫珈琲」この二冊を読むことで私の湊さんに対するイメージが全く別物になった、私にとって一つの分岐点となった作品でした。

2021/08/20

のぶ

エッセイで上下巻に分冊されている本は珍しいが、とりあえず上巻を読んでみた。湊さんのデビューから10年間に各紙に書かれたものを集めたもの。それぞれが2ページ程度で収められているので、ちょっとした時間を潰すのにちょうどいい。この種のエッセイにありがちな重複している部分も目立つが、文章は日頃の毒気を含んだ小説とは違い、柔らかい印象を受けた。淡路島に住むごく普通の主婦が、作家としてデビューする過程がわかり興味深かった。それと事実は書いているが、自分の考えをあまり述べていない気がする。続いて下巻に入ります。

2020/02/21

金吾

○湊さんのエッセイは初めてですが小説とはまた異なる魅力を感じました。凄く素直にかつ丁寧に思ったことや感じたことを表現していると思いました。山女日記での記載の背景がわかったり、面白かったです。

2020/08/16

いちろく

神戸新聞、朝日新聞、日本経済新聞に連載されたエッセイをまとめた内容の上巻。著者の出身地である因島(現広島県尾道市)や学生時代のサイクリングの話題など、私自身興味のある内容が豊富で興味深くページを捲れた。湊かなえの人生録の様な内容でもあるので、著者の作品がどのように創り出されているか?覗けるような感覚でもあった。あと、適宜挿入されるイラストの猫がかわいい。

2020/01/22

Junichi Yamaguchi

『淡路島』… 山、猫、珈琲。 著者の好きなものらしい。 とても読みやすいエッセイ。 下巻では、より淡路島に親近感を覚えるのかな? 期待して(下へ)。。

2020/01/31

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