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魔術 -もう一つのヨーロッパ精神史- イメージの博物誌 4

魔術 -もう一つのヨーロッパ精神史- イメージの博物誌 4

魔術 -もう一つのヨーロッパ精神史- イメージの博物誌 4

作家
フランシス・キング
澁澤龍彦
出版社
平凡社
発売日
1978-02-01
ISBN
9784582284041
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魔術 -もう一つのヨーロッパ精神史- イメージの博物誌 4 / 感想・レビュー

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evifrei

資料集。魔術に関する歴史的解説と、絵画を中心に収める。渋澤訳というシリーズ異例の豪華さ。光の当たらないヨーロッパ史というコンセプトのこの解説が非常に面白く、解説だけでも読む価値が高い。魔術は、新プラトン主義(ヘルメス思想)・カバラ(ユダヤ思想)・キリスト教神秘主義を系譜とする思想体系にあるとの指摘が特に興味深かった。また、薔薇十字団創設後に起きた魔術師相互の闘争に、思い切り胡散臭い側に与して、魔術に関する文化に傾倒していたフランス文学作家のユイスマンス(『彼方』執筆時らしい)も登場していた点も面白かった。

2019/12/25

袖崎いたる

魔術の起源としては、救済(これは実存することにおける充実のことかしら?)は、信仰あるいは行為からではなく、認識から得られるべきものであるという教説から出発しているということには感心させられた一冊。魔術に関して資料を精読しての一冊なのであろう合理的精神でもって書かれているのだけれど、時折、妙に躓きの石が見られる観があるのは気のせいかしら。たとえばエリファス・レヴィが見たらしき五角の星形の逆様に対して、著者は五角の星形には上も下もないというが、ぼくには上も下もあるように思えるのだが。図版集としては素晴らしい。

2015/10/31

袖崎いたる

アレイスター・クロウリーの画才がけちょんけちょんにされてて笑った。その一方で色彩感覚のほうは持ち上げている。なるほど。ユイスマンスは事態の本体を見抜く目がないらしい(笑) それとタロットカードはトート版がサイコーらしい。著者に癖があるよなこれ。

2022/03/05

小林ミノリ

イメージの博物誌シリーズのひとつ、今見るといかにも、80年代ニューアカデミズムの流れを汲む思想的なイメージが全面に出たジャケ画像で恥ずかしい気がするが、人の精神の暗黒面に類する、思想的な系譜のビジュアルイメージの資料的価値は高い。

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