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フローラ逍遥 (平凡社ライブラリー)

フローラ逍遥 (平凡社ライブラリー)

フローラ逍遥 (平凡社ライブラリー)

作家
澁澤龍彦
出版社
平凡社
発売日
1996-10-09
ISBN
9784582761665
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フローラ逍遥 (平凡社ライブラリー) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

本書は、澁澤龍彦の最晩年ーとはいっても59歳なのだがーのエッセイ。出版が1987年の5月で、同年の8月に亡くなっているので、ほとんど辞世の書物といってもいいくらいだ。全編にわたって澁澤色が横溢するが、やはり往年のそれとは微妙に違っている。どこか、日本回帰のような風が見られるのだ。和歌や俳句からの引用も多く、自宅の庭への言及も多いようだ。もっとも、エニシダとジュネのくだりのように、澁澤にしか語れないものも存分に見られることも、また確かなのだが。それにしても59歳は、我々にとって、あまりにも早い別れだった。

2014/11/12

ジンジャー(C17H26O4)

博覧強記ぶりは垣間見られるが、かなり控えめなので読み易い。主に文学作品の中の花々についてや、花々にまつわる自身の思い出が大らかな雰囲気で書かれている。澁澤は植物にとても親しみを持っていたようで、他所で見た木を取り寄せて家の庭に植えてみたりしている。各花に様々な植物図譜からの美しい図版がオールカラーで添えられていて、これを見るだけでもとても楽しい(そのためか文庫なのに定価1500円もする。中古で買ったけど)。菊の花のページで「サド文学は四季をわかず菊の花が満開なのである」に澁澤ならではを感じてしまった。

2018/08/24

澁澤龍彦さんの花に纏わる25篇のエッセイ集。こんなに薄いのになぜこんなに高いの?と思ったらなんとエッセイの中で取り上げてあるお花の図版がフルカラーで何枚も何枚も収録されていた。カラーならしょうがない。そしてこれがまた、ものすごく美しい。本文中で取り上げられるエニシダ、牡丹に百合薔薇菊などなど、一つ一つの花がそれぞれ文化や時代や芸術、言葉の歴史を持っている事が著者によって紹介されるのを見ると、花という表象は人びとが過去からずっと何かを託して来たんだなあという人類愛に満ちた気持ちになる。叙情と美に溢れた美書。

2014/11/30

双海(ふたみ)

澁澤の生涯の最期を飾る優美にして閑雅な博物誌。東西の植物画75点をオールカラーで楽しむことができます。たとえば、薔薇の章にはルドゥテ『薔薇図譜』が掲げられています。今まで読んできた澁澤の本の中で一二を争う好著。自信をもっておすすめ致します。

2014/10/06

ぐうぐう

花の知識なんてまるでないにも関わらず、「ほお!」「へえ!」という感嘆の言葉が出てしまうほどに、この『フローラ逍遙』はおもしろい。それは澁澤の博識の深さ以上に、彼の親しみのある、そしてユーモアたっぷりの文章によるところが大きい。「澁澤って読みたいけど、難しそうで……」と思っている人にお薦めの1冊かもしれない。個人的には、「桜」の章で、吉野を訪れた澁澤が泊まった宿が、ウチの実家のすぐそばの宿だったという発見が、すごく嬉しかった♪

2009/07/02

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