読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

月のぶどう (ポプラ文庫)

月のぶどう (ポプラ文庫)

月のぶどう (ポプラ文庫)

作家
寺地はるな
出版社
ポプラ社
発売日
2018-10-05
ISBN
9784591160527
amazonで購入する

「月のぶどう (ポプラ文庫)」のおすすめレビュー

“出来の悪いほう”と呼ばれてきた弟。母の突然死で転機が!「ワイン作り」を通して生き方を見つめなおす再生の物語

『月のぶどう』(寺地はるな/ポプラ社)

 たしか、成人祝いの席でのことだ。はじめてのワインの味に、大人たちはなぜこんなものを好きこのんで飲むのだろうと、顔をしかめたのを覚えている。それから幾年、わたしは「こんなもの」を大喜びで飲むようになった。人生、なにがどう変わってしまうか、自分でもわからないものだなと思う。

『月のぶどう』(寺地はるな/ポプラ社)の主人公・歩も、変化に向き合わざるをえなくなった人間のひとりだ。

 歩の実家は、曽祖父が興し、母が発展させてきたワイナリー。歩は、優秀な双子の姉・光実と比べられ、「出来の悪いほう」と呼ばれてきた。光実は、カリスマ社長である母に期待され、ワインづくりにかける情熱も持っている。歩はいつしか家業から目を背けるようになり、家を離れて進学するが、その大学も中退。勤めに出たものの長くは続かず、今は叔母の経営するカフェでアルバイトをして暮らしている。もうすぐ26歳になるのだ、しっかりしなければならないのはわかっている。だが、姉のように「どうしてもやりたい」と思えることもない。くすぶる歩に、運命は強制的な転機を用意した。…

2018/10/20

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

月のぶどう (ポプラ文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

おしゃべりメガネ

涙腺をちょっぴりとさりげなくウルルとさせてくれる名手、寺地さんの期待を裏切らないほっこりとした作品です。大阪で代々続くワイナリーを営んできた母が急逝し、残された双子の姉弟「光実」と「歩」。弟とはまったくワインづくりに関わったコトがなく、日々悪戦苦闘の連続で、優秀な姉は偉大な母から受け継いだコトに日々プレッシャーを感じます。そんな二人がワインづくりを通して、お互いの生き方を見直し、周りの助けをもらいながら、成長していくステキなお話でした。前半「歩」には多少イライラしましたが、読後感はスッキリできました。

2020/03/09

fwhd8325

寺地さんの作品は大好きでよく読んでいます。この作品も寺地さんらしい物語でした。登場人物の表情が浮かんでくる描写は、ドラマを見ているようです。男女の双子、出来の良い姉と落ちこぼれ気味の弟。それも見ている人は見ている「見捨てないぞ」と言うメッセージは、勇気づけられます。あえて、不満を言えば、いろいろなエピソードを盛り込みすぎな点でしょうか。ラストももう一捻りあってもよかったかなと思います。

2020/09/12

ばう

★★★ 突然亡くなった母の跡を継いで家業のワイナリーの仕事に励む双子の姉弟、光実と歩。幼い頃から「出来の悪い方」と言われ続けた歩は勿論のこと、「出来の良い方」と言われていた姉の光実も人知れず屈託を抱えて生きている。初めは乗り気でなかった歩が次第に成長していく姿を見て「出来る」姉の光実は内心狼狽えるが…。歩は自分に自信が無いと言うが生真面目な努力家で細やかな心遣いが出来て、頑なな人の心も溶かしてしまう。出来ない、役に立たない人などどこにもいない。みんな必要な人なのだと改めて気付かせてくれた本でした。

2021/04/07

優希

ほっこりとあたたかくなる物語でした。四季がめぐる中でのワインづくりで自分を見つめていく光実と歩。ワインと時を過ごすことで少しずつ成長していったのだと思います。月のワイン、どんな味がするのでしょう。

2020/07/14

菜穂子

ぶどうを栽培してワインを造る。1から10まで自分達でとは。しっかり者の姉と出来損ないの弟の設定だけれど、処分されるぶどうを弟に例えるのはあまりに悲しすぎないか。それでも友人や恋人、姉弟を取り巻く人と共にワイン造りも人としても徐々に熟成されていくのを感じられて良かった。

2020/09/24

感想・レビューをもっと見る