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月のぶどう (ポプラ文庫)

月のぶどう (ポプラ文庫)

月のぶどう (ポプラ文庫)

作家
寺地はるな
出版社
ポプラ社
発売日
2018-10-05
ISBN
9784591160527
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「月のぶどう (ポプラ文庫)」のおすすめレビュー

“出来の悪いほう”と呼ばれてきた弟。母の突然死で転機が!「ワイン作り」を通して生き方を見つめなおす再生の物語

『月のぶどう』(寺地はるな/ポプラ社)

 たしか、成人祝いの席でのことだ。はじめてのワインの味に、大人たちはなぜこんなものを好きこのんで飲むのだろうと、顔をしかめたのを覚えている。それから幾年、わたしは「こんなもの」を大喜びで飲むようになった。人生、なにがどう変わってしまうか、自分でもわからないものだなと思う。

『月のぶどう』(寺地はるな/ポプラ社)の主人公・歩も、変化に向き合わざるをえなくなった人間のひとりだ。

 歩の実家は、曽祖父が興し、母が発展させてきたワイナリー。歩は、優秀な双子の姉・光実と比べられ、「出来の悪いほう」と呼ばれてきた。光実は、カリスマ社長である母に期待され、ワインづくりにかける情熱も持っている。歩はいつしか家業から目を背けるようになり、家を離れて進学するが、その大学も中退。勤めに出たものの長くは続かず、今は叔母の経営するカフェでアルバイトをして暮らしている。もうすぐ26歳になるのだ、しっかりしなければならないのはわかっている。だが、姉のように「どうしてもやりたい」と思えることもない。くすぶる歩に、運命は強制的な転機を用意した。…

2018/10/20

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月のぶどう (ポプラ文庫) / 感想・レビュー

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さてさて

知識なし、経験なし、興味なし、そしてやる気もなしという『できがよくない方』の弟・歩、対照的に、知識あり、経験あり、興味津々、やる気の塊のような『できがよい方』の姉・光実。そんな二人を結びつけるキーワードが双子。家族の、そしてワイナリーの大黒柱だった母親の急死によってそんな二人の位置づけ、関係にも変化が訪れます。それを淡々と静かに描いていくこの作品。ワインが生み出されていく舞台裏で、極めて地味に、極めて地道に働くワイナリーの人々の一年が描かれていくこの作品。仕事をすることの喜びについてふと感じた作品でした。

2021/09/23

おしゃべりメガネ

涙腺をちょっぴりとさりげなくウルルとさせてくれる名手、寺地さんの期待を裏切らないほっこりとした作品です。大阪で代々続くワイナリーを営んできた母が急逝し、残された双子の姉弟「光実」と「歩」。弟とはまったくワインづくりに関わったコトがなく、日々悪戦苦闘の連続で、優秀な姉は偉大な母から受け継いだコトに日々プレッシャーを感じます。そんな二人がワインづくりを通して、お互いの生き方を見直し、周りの助けをもらいながら、成長していくステキなお話でした。前半「歩」には多少イライラしましたが、読後感はスッキリできました。

2020/03/09

mint☆

ワイナリーを経営していた母親が突然亡くなり双子の光実と歩が後を継ぐことに。光実は元々ワイナリーの仕事をしていた「出来のいいほう」、歩は「じゃないほう」。正反対の二人だが仲が良く、ワイン作りを通して支え合い共に成長していく。できる姉の弱さ、できない弟の強さが見え応援したくなる。周囲で支える人たちもヤキモキしながらも見守ったり強行突破で手を貸したりととても温かく、特にラストは泣かせにきます。ワインができるまでの沢山の工程も勉強になりました。

2023/01/24

fwhd8325

寺地さんの作品は大好きでよく読んでいます。この作品も寺地さんらしい物語でした。登場人物の表情が浮かんでくる描写は、ドラマを見ているようです。男女の双子、出来の良い姉と落ちこぼれ気味の弟。それも見ている人は見ている「見捨てないぞ」と言うメッセージは、勇気づけられます。あえて、不満を言えば、いろいろなエピソードを盛り込みすぎな点でしょうか。ラストももう一捻りあってもよかったかなと思います。

2020/09/12

けろりん

「月の葡萄で作ったワインはどんな味がするのだろう。」地に這いつくばって苗を植え、草を抜き、鳥や虫を払い、手間ひまをかけて育てあげた葡萄から醸される酒。弛まぬ労働と、自然の恵が生み出す恩寵とも言うべきワインの醸造所を営む天瀬家の大黒柱であった母が急死し、その後を継ぐ事になった双子の姉弟、光実と歩。優秀な経営者であった母の姿をそれぞれの想いで見つめて来た二人が、ワイン作りを通じて、お互い、家族や友人、職場の従業員等と新たに向き合い、家業への誇りと意義を見出してゆく。芳しく実りゆく果実を慈しみ、見守る様に読了。

2021/12/06

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