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あずかりやさん 彼女の青い鳥 (ポプラ文庫 お 15-3)

あずかりやさん 彼女の青い鳥 (ポプラ文庫 お 15-3)

あずかりやさん 彼女の青い鳥 (ポプラ文庫 お 15-3)

作家
大山淳子
出版社
ポプラ社
発売日
2019-05-02
ISBN
9784591162668
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「あずかりやさん 彼女の青い鳥 (ポプラ文庫 お 15-3)」のおすすめレビュー

“書店員が育てたヒット作”累計30万部突破!『あずかりやさん』シリーズ待望の新刊

『あずかりやさん 彼女の青い鳥』(大山淳子/ポプラ社)

 学生時代のテスト前、つい手にしてしまったコミックやゲームのせいで、何時間も勉強をせずに過ごした。ああ、この大好きなコミックやゲーム、手放すのは嫌だけど、テスト期間の間だけ、目につかないところにやれたらいいのに──そんな思いをしたことがある人なら、『あずかりやさん』(大山淳子/ポプラ社)に立ち寄る人たちの心境が、しみじみとわかるだろう。

“あずかりや”は、とある商店街のはじにある。看板はない。そこが店舗だと知る手立ては、シンプルな藍染めののれんだけだ。のれんをくぐると、薄暗い6畳間の片隅で、美しいたたずまいの青年店主が本を読んでいる。店主は、文机に大きな本を置き、てのひらで慈しむように何度も撫でる。暗くなっても灯りはつけない。目で字を追う必要がないから──彼の目は、見えていないからだ。

 店主の目が不自由であることは、あずかりや稼業には有利に働くらしい。あずかりものを見たり読んだりすることはできないし、お客さまの顔を見ることもないからだ。変に詮索されることがないので、お客さまは安心してものをあず…

2019/5/14

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あずかりやさん 彼女の青い鳥 (ポプラ文庫 お 15-3) / 感想・レビュー

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mae.dat

第3弾。今回は5話納められていました。いつも通り、物・動物視点で語られているのですけど、初めて(?)女性視点のお話も含まれていました。後、お預かりをこれ又初めて(?)お断りした、作中作の『かちかちかっちゃん』が印象的ですね。桐島くんは耳と記憶が良いのですけど、ラジオで声を聴いた事があったのに、本人と気付いてない風なのです。けど、実は気付いていたのではないかなぁと。次作『刑事あめんぼ 和歌山へ行く』も気になる所です。あずかりやさん桐島くんの人間関係や為人が少しずつ補完されて行きますね。次の作品も楽しみです。

2023/02/07

寂しがり屋の狼さん

シリーズ3作目(*^.^*)どの物語も静かで心地の良いものでしたが、前2作とはまた違う感じがしました。『スーパーボール』『彼女の犯行』はお薦めσ(o・ω・o)

2019/07/15

まさきち

あずかりやさんの第三作。いつも通りあたたかい、けれど今回はどこか切なさが漂う話たちが集まっている、そんな雰囲気の一冊。時に語り部のノミがラストで死を迎える場面や、中盤で登場したセーラー服の少女の身に起きた事情を最終話で知ったときなど、鼻の奥にツンと来るものがありました。でもそれぞれが下を向いてばかりでなく、上を向こうと前向きな考えを抱いている姿に元気をもらっての読了です。

2023/09/06

hitomi.s

引越が決まった辺りに読んだ本。シリーズ、3作目。どの人の毎日にも、楽しいこと哀しいことはあって、その時時には、背景になるような人や場所がある。一日100円であずかってくれるような象徴的なお店は、私の日常にはないけれど。季節の料理を出してくれる居心地のいいごはん屋さんや、おしゃれ冷蔵庫を買ったリサイクルショップ、ニコニコと挨拶を交わしている警備のご年輩の方。この毎日も、この著者に書いて貰えたら、きっと悪くない。今回も、そうして少し視野が明るくなれました。

2019/05/27

*すずらん*

物語りは、預ける人や預けられる物達の視点から進んでいく。最初はそれがどういう人なのか、どういう物なのかという要素は分からず、読み進めていくにつれて明らかになっていくこの手順が楽しい。そしてこのシリーズのポイントとなるキーワードは「時間」である。「時の経過は一番の解決策」といった言葉があるように、時間は今直面している問題の角を丸くしてくれる。この様なあずかりやさんが実際にあったとしたら、人はきっと向き合いきれない物を預けに行きたくなる筈だ。だから私は無意識に探してしまうのである。明日町こんぺいとう商店街を…

2024/02/07

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