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時々、死んだふり (ポプラ新書 244)

時々、死んだふり (ポプラ新書 244)

時々、死んだふり (ポプラ新書 244)

作家
横尾忠則
出版社
ポプラ社
発売日
2023-09-13
ISBN
9784591178973
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「時々、死んだふり (ポプラ新書 244)」のおすすめレビュー

急性心筋梗塞を経験した画家・横尾忠則が語る、常に世界を新鮮な目線で眺められる「死んだふり」のコツ

『時々、死んだふり』(横尾忠則/ポプラ社)

 多種多様な経験を積み重ねてきて、色々な著名人と親交がある人であっても、80代半ばでまだ「こんなの初めてだ」という経験がある。ご本人にしてみれば「それはそうだろう」と思うのかもしれないが、その感覚を絵筆でササッと色を塗り分けるかのように軽やかに論じているのが、エッセイ『時々、死んだふり』(横尾忠則/ポプラ社)だ。

 本書の冒頭で著者は、急性心筋梗塞で今まさに手術室に入っていこうとするとき、付き添いに来ていた妻が「バイバイ」と嬉しそうに手を振った。その光景に心が落ち着いたというエピソードを紹介している。筆者は「一体それはどういうことなのだろう」と、普通は「なんで笑ってるの?」と、戸惑ってショックを受けるところではないのか、と感じた。だが読み進めていくと、程なくして「なるほど、そういうことか」という記述に行き当たる。

たぶん、ある時は運命に逆らって、ある時は運命に従うという、そんな都合のよいことはできないと思います。性格というか、タイプというか、どちらを選ぶかがその人の生き方です。

 著者の性格は「運命に従う」側だ…

2023/9/13

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時々、死んだふり (ポプラ新書 244) / 感想・レビュー

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KAZOO

横尾さんの新書が昨年から3冊引き続き発刊されています。もう87歳にもなられていて途中にいろいろあったようですがかなりお元気なようです。ご自分の関連の美術館を2か所も開館されているようですね。今までの経験などを書かれていてポイントの文章をところどころに挿入されているのもいいと思いました。例えば「死んだらどうなるかということを心配するよりも、今を一生懸命生きることが大事です。」

2024/03/07

レモングラス

東京国立博物館での「寒山百得」展をNHK BSで見た。本書はイラストレーターになるまでや、イラストレーターから画家に転向した際のことなど、また、人生最大級の痛みだった心筋梗塞や、足の切断を言い渡されて慌てて退院した経験などが記されている。寒山拾得については森鴎外や芥川龍之介にも触れている。「運命に身を任せればよいところに連れていってくれる」が印象的。自分の運命を転換させるような衝動に直面したときは、自分の意志というより、内にある衝動に逆らわずに従う、しのぎを削ってどうするの? 読み応えありました。

2023/11/11

阿部義彦

ポプラ新書最新刊。全て書き下ろし。今年(23年で87歳)になる横尾忠則さんですが、昨年には急性心筋梗塞で入院中して命拾いをしました。そんな横尾忠則さんの死生観を中心に、流されるままに生きてきたこれまでの人生を振り返ります。何事にも受け身で、自分から働きかけて何かをやるのは面倒くさい性格。結婚も相手任せで、付き合って1週間位に、彼女が勝手にアパートを借りて「アパートを借りたからそこに行きましょう」と言われ「ああそうですか」とついて行ったそうです。難聴になり腱鞘炎にもなり、老化に任せて画風も変わりました。

2023/09/25

ズー

存在はもちろんずっと知っていて、アバンギャルドで赤と青の奇抜なグラフィックを作る方と思っていて。この本読んでみたら、想像よりずっと柔らかくて(お年を召したからかな?)。ずっと活躍している方が長生きして見える世界、人生、悟り。鮮明で真実に思える。すごく響いた。これは展示も急いで行かなくては。薄めで文字も大きめな本だけど、すごくいいことがいっぱい書いてある本だった。

2023/11/05

MICKE

なかなかこれだけ達観できる人はいないね、横尾さんならでは。

2023/10/28

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