KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

夜明けのはざま (一般書)

夜明けのはざま (一般書)

夜明けのはざま (一般書)

作家
町田そのこ
出版社
ポプラ社
発売日
2023-11-08
ISBN
9784591179802
amazonで購入する Kindle版を購入する

「夜明けのはざま (一般書)」の関連記事

「許しが今後の私のテーマになる」――町田そのこが葬儀屋を描く最新作『夜明けのはざま』を語るインタビュー

地方のさびれた都市で、家族葬を営む葬儀社「芥子実庵」を舞台に描かれる、町田そのこさんの最新作『夜明けのはざま』。町田さんが葬儀社を舞台にした小説を書くのは二度目で、前作『ぎょらん』は、嚙みくだくと死んだ人が最期の瞬間に願った強い想いを共有することができるという赤い珠を通じて、人の死に向き合う物語だった。今作は大切な人の死を通じて、しがらみの多い地域社会を生きる人たちのさまざまな生きづらさを浮かび上がらせる。なぜ、再び葬儀社を舞台に書こうと思ったのか。お話をうかがった。

取材=たちばなもも、撮影=金澤正平

――今作を書こうと思ったきっかけは、なんだったのでしょう。

町田そのこ(以下、町田):また葬儀社が舞台か、と思われるかもしれませんが、前作『ぎょらん』が亡くなった人たちに向き合う物語だったのに対し、今作では残された人たちがいかに生きるか、というところに焦点を当てています。というのも、『ぎょらん』では死を神聖なものとして描きすぎてしまったのではないか、という想いがあったんですね。私も年を重ね、死は特別なものではなく、常に日常のかたわらにある、誰もがいず…

2023/12/6

全文を読む

関連記事をもっと見る

夜明けのはざま (一般書) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

町田 そのこ、5作目です。本書は、家族葬専門葬儀社芥子実庵連作短編集でした。オススメは三章「芥子の実」です。続編もありそうなエンディングでした。私は昨年母を亡くし、葬儀を家族葬で執り行なったので、リアルな感じがしました。昨年読んでいたら2023年BEST20候補、今年も本屋大賞にノミネートされそうです。 https://www.poplar.co.jp/pr/yoakenohazama/

2024/01/12

fwhd8325

葬儀会社が舞台だから、死にまつわる物語です。それは、人への想いなのかもしれません。何もどれだけ思いが深いなんてことを競うことはありませんが、死んでしまったら、その人とは思い出だけが残ります。それでも思い出は突然目に前に飛び込んできたりします。ああ、まだ繋がっているんだと思える瞬間です。一章でガツンとやられました。時折涙が零れてきたりします。少し辛いなと思いながらの読書でした。

2023/12/11

hirokun

★4 家族葬専門の葬儀社を舞台にして、死に直面した登場人物たちを通し、生き方について考えさせてくれる作品。私にはこんな風にこの作品を受けとった。町田そのこさんの作品は私にとっては2冊目。この作家さんも読書メーターに参加していなければおそらく縁のなかった作家さん。文中にあった、『一緒に生きていくために大切なのは、相手のしあわせを考える時間』の言葉は、私の心に深く突き刺さった。自分の幸せを中心に組み立ててきた今までの人生に対し、残された時間は、相手のしあわせを考える気持ちを少しでも持ちたい。

2023/12/06

hiace9000

作中にはこうある。「"痛み"があまりに迫ってきて息ができない」と。読中ずっと自問自答・自己省察が続いた。わかったふりをしながら嫌悪すべき同性や異性への「性」の強要をわたしはしてはいなかったか? 古い世代の価値観のズレを揶揄し辟易しながら、矛盾した他者認識をしている自分に気づいていたか? 『夜明けのはざま』は「自分が知った痛みが無理やり引きずり出されてくるような怖さ」を伴う読書だった。価値観は揺らぎ、変わろうとしている。それでもまだ夜は明けてはいないー「はざま」だ。令和夜明けのいま、「先を行け」と言いたい。

2023/12/11

旅するランナー

女らしく、妻らしく、母親らしく。男らしく、夫らしく、父親らしく。そんなジェンダーや役割の強要への疑問符を投げ掛ける。そうなのだ。一緒に生きていくために大切なのは「しあわせの瞬間」だけでなく「相手のしあわせを考える時間」も大事なのだ。家族葬専門葬儀社芥子実庵で繰り広げられる、大切な人を送る切ないエピソードから、人生の大切な考え方を学べる優れた作品になっています。

2024/02/04

感想・レビューをもっと見る