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蟹に誘われて

蟹に誘われて

蟹に誘われて

作家
panpanya
出版社
白泉社
発売日
2014-04-25
ISBN
9784592710684
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蟹に誘われて / 感想・レビュー

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ホークス

この方の漫画は空気感がつげ義春、水木しげるを連想させる。日常と地続きの仄暗い別世界に、ふと気づくと迷い込んでいる話だ。道も建物も奇妙に歪み、人の表情も虚ろである。看板や標識のリアルさが却って不気味だ。夢でしか経験しない論理性、整合性を思わせて不安だ。そして突然やって来る異様な一瞬。発電所の秘密の部屋では熱気が渦巻き、やたら高級な果物店の棚はキラキラ輝く。見知らぬ街は意識を持つ迷路となって、途方にくれた者を襲う。本書の世界には生暖かい心地よさもあり、忘れがたい印象が残る。癖になる漫画家さんだ。

2019/03/21

傘緑

『足摺り水族館』に続いて、ちょっと懐かしい感じの独特の味わいに誘われてのpanpanyaさん。鉛筆で書いた一筆書きのような淡泊で簡素な人物描写と、どこか妖気も漂う濃厚で稠密な背景描写との異類婚姻漫画。不思議な真昼の終電で降りる駅を間違えて見知らぬ駅前をさ迷う「方彷の呆」、魚眼レンズのように歪んで屈折し、凸凹にぼやけた駅前商店街の迷宮行。晩秋の夜風にたなびくこいのぼりの群れに遭遇した「気味」、魚の生臭さがまとわりつくような生々しくちょっと怖い話。巻末の「索引」の存在には驚いた(かなりしっかりした索引です)w

2017/02/22

ソラ

雰囲気が抜群に良かった。ちょっと不思議な感じの短編集。ホラー風味もあればほのぼのとしたところもあって幅が広い。他の作品も読みたい。

2014/09/11

はちてん

いや~面白い!夢に出てくるようなって表現もアリだろうけど、違うかなぁ…。日常的に町を歩いていて出くわす!出くわしたことがある!…ような気がする…。大山椒魚がかわいらしい。

2014/05/23

りー

同著者の前作『足摺り水族館』も読んだのだけれど、本作の方がよりシンプルで分かりやすく、入門編には適していると思う。独特の脱力感漂う絵、皮肉の利いたユーモア、薄皮一枚で隔てられた異世界、時折挿入されるエッセイの様な日記。読めば読むほど癖になる、味わいは濃厚なのにあっさり読める独特の世界観。次回作もきっと買う。

2014/05/20

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