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[増補版]神道はなぜ教えがないのか

[増補版]神道はなぜ教えがないのか

[増補版]神道はなぜ教えがないのか

作家
島田裕巳
出版社
扶桑社
発売日
2023-09-01
ISBN
9784594095666
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[増補版]神道はなぜ教えがないのか / 感想・レビュー

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tamami

著者によれば、神道には開祖も、宗祖も、教義もないという。神社の中心には実質的には何もなく、神殿などもなかったのではないかと記す。しかし何もないが故に、日本に入ってきた「ある」宗教の仏教と、神仏混淆という形で両者は存在できたとも。少々割り切れないのは、弥生以前の神道、というより自然に対する畏敬の念あるいは畏怖の念といった、縄文以来の自然信仰?についての記述が何もなく、日本人の宗教観の最も根っこの部分が不明になっている感がすることである。「ない」宗教の最奥の部分が縄文に根ざしている、と思うのは私だけだろうか。

2023/09/20

tamami

読書会の仲間から、「教義や救済の方法が無いといわれる神道に、それらを備えれば、一大宗教になるのでは」と問われ、言挙げしない神道などと答えたのだが、不明点を確かめるべく、本書を再読する。本書は、「ない宗教」としての神道の起源や「ある宗教」仏教との出会い、その後の歴史などにも触れながら、神道の本質に迫っている。そして、ないが故の自由と伝統について記すと共に、浄土空間としての神道のあり方を述べている。信仰する宗教については、「特にない」と答える人の割合も少なくないと聞くけれども、私たちは、初詣に始まる年中行事や

2024/01/22

ころこ

10年前に出版された新書を改版して3度目の出版のようだ。著者が大切にしているように良く出来ている。神道は開祖も、宗祖も、教義も、救済も「ない」。いい加減で宗教に値しないと否定的にいわれる神道が、じつは世界宗教に駆逐されずに残った稀有な民俗宗教だという逆説的な肯定的評価を論じている。前半の神社探訪のような読み易い感じ、中盤の仏教の「ある」宗教との比較宗教学的な観点、後半の国学による近代性を獲得した肯定とナショナリズムに利用された否定の相反した観点と、小さな本の割には読むのも難渋で、内容が濃かった。

2023/12/20

ヒデキ

増補版が出たことでやっと読めた1冊 「ない」宗教の「神道」が、日本に根付いていたために 「ある」宗教の仏教と共存していった姿は、確かに 判りやすい。開祖も教祖も無く「ご神体」というモノを拝み、願いを託す・・・ 一体、神道って何だろう?とある意味さらに分からなくなってしまいました。 確か、豊田有恒さんが、言われていたようにかっては、教えがあった宗教や祭事が、縄文・弥生と時代を経て忘れてしまわれ、形だけが残ったモノというとこなのでしょうか 「道」というだけ、宗教とは、違うモノなのでしょうね

2023/09/23

niisun

「ない宗教」という切り口で説明された“神道”。教祖もおらず、経典も体系化された教団もなく、修行も救いもない不思議な宗教。帝国主義に進む時の政権には都合良く「神道は宗教にあらず。国の中核に神道を据えることは、信教の自由に反しない。」という解釈で“神の国”を標榜した日本。そうした屁理屈とは関係なく、実際に日本人は神道を宗教とは考えていないように感じます。だから他人に問われると“無宗教”と答える。神様はどこにでもいて、何物にも宿り、祈りはすれど救済までは求めないというのが日本人にはあっていたのかも知れませんね。

2023/12/09

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