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ダ・フォース 下 (ハーパーBOOKS)

ダ・フォース 下 (ハーパーBOOKS)

ダ・フォース 下 (ハーパーBOOKS)

作家
ドン・ウィンズロウ
田口俊樹
出版社
ハーパーコリンズ・ ジャパン
発売日
2018-03-26
ISBN
9784596550828
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「ダ・フォース 下 (ハーパーBOOKS)」のおすすめレビュー

悪徳警官の転落劇が、なぜここまで切ないのか…! 圧巻の血みどろノワール『ダ・フォース』が話題!

『ダ・フォース(上・下)』 (ドン・ウィンズロウ:著、田口俊樹:訳/ハーパーコリンズ・ジャパン)

 パワハラ、わいせつ行為、横領……。警察官の不祥事は、今も昔も後を絶たない。だがフィクションとはいえ、この男ほどの悪徳警官はそういないだろう。ニューヨーク市警のエリート特捜部“ダ・フォース”を率いるマローンは、市民のヒーローであり刑事の王。麻薬や銃が引き起こす凶悪犯罪を日夜取り締まり、ニューヨークの街に睨みをきかせている。だがその反面、マフィアと通じたり、検事を買収したりとやりたい放題。挙句の果てに、麻薬工場の手入れでは組織のドンを撃ち殺し、50キロものヘロインを着服する。……並みのマフィアより悪いじゃないか。

 本作『ダ・フォース(上・下)』(ドン・ウィンズロウ:著、田口俊樹:訳/ハーパーコリンズ・ジャパン)は、そんなマローンが監獄に囚われているシーンから幕を開ける。英雄は、なぜその座を追われたのか。どのようにして悪事が明るみに出たのか。汚れた警官が転落する過程が、徐々にあぶり出されていく。

 マローンの悪行は、到底許されることではない。嫌悪感を抱く人…

2018/9/3

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警察とヤクザはズブズブ? 元捜査一課課長×元麻薬取締官×犯罪ジャーナリスト座談会!

 ニューヨーク市警の中で、麻薬や銃による犯罪を取り締まるエリート特捜部、通称「ダ・フォース」。そのトップに君臨する刑事デニー・マローンは、市民のヒーローであり、街を統べる刑事の王だった。しかし、ドミニカ人麻薬組織の手入れの際に取ったある行動を機に、転落の一途をたどりはじめる──。

 緻密な取材に基づき、フィクションでありながら圧倒的なリアリティで“堕ちた刑事”を描いたドン・ウィンズロウの『ダ・フォース』が発売された。スティーブン・キングが「警察版ゴッドファーザー」と激賞し、リドリー・スコット製作による映画化も決定した同作を“犯罪のプロ”はどう読み解くのか。元捜査一課課長、元麻薬取締官、犯罪ジャーナリストによる「実録アンダーグラウンド座談会」で、麻薬捜査、警察汚職の裏側に迫る!

『ダ・フォース』(上・下)(ドン・ウィンズロウ:著 田口俊樹:訳 ハーパーコリンズ・ジャパン)

左から 元千葉県警察 刑事課長(警部)・刑事部捜査第一課特殊班長 田野重徳さん 元厚生労働省麻薬取締官 高濱良次さん ジャーナリスト・銃器評論家・作家・プロデューサー 津田哲也さん

2018/6/8

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ダ・フォース 下 (ハーパーBOOKS) / 感想・レビュー

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W-G

堪能した。最後の方でマローンが自己正当化くさい独白かますのだけは少し株を下げてしまったけれども、下巻に入って展開もスピードアップし、色々な思惑が錯綜してきて、本当に一気読みだった。久々の濃くて重たい警察小説。こういうタイプの主人公はやはり日本人ではハマラない。特にFBIサイドの動きが面白く、人の気も知らず好きなようにかき回して、一瞬で手のひら返すその様が、物語を一層スリリングにしてくれる。『犬の力』『カルテル』を読まずにこの作品から入ったのも良かったかも。遡って次は『犬の力』に行く。

2018/04/20

ヴェネツィア

「犬の力』でもそうであったが、本書もまたマチズモが横溢する。ただし、今回のそれは悲しくも汚れたマチズモである。最初はささいな一歩であったかもしれない。しかし、それがしだいに雪崩をうったように広がり崩壊してゆく。「デニス・マローンの望みはひとつだった。いいお巡りになること、ただそれだけだった」結びのの一文はなんとも哀切に響く。物語の最初に還れば、本書は多くの殉職警官たちに捧げられていた。一見、マローンの行為はそれを裏切るようでもあるが、警官たちの抱える事実の限りない重みを本書は描いたのだろう。

2024/03/22

starbro

上下巻、1000P弱、完読しました。ノンフィクションのような悪徳警官腐敗の物語、かなりリアリティがあります。以前に比べてNYの治安が良くなったと報道されていますが、日本とは、かなりのギャップがあります。原住民の土地を強奪し、成立した世界最強のならず者国家、銃も麻薬もギャングも悪徳警官も撲滅出来そうにありません。何と言っても大統領がジャイアンではねぇ(笑)

2018/06/11

遥かなる想い

下巻に入り、トーレス刑事の自殺から 物語は 加速する。麻薬と暴力の街 ニューヨークでの危険な賭けが続く… マローンは何をしようと しているのか? 警察官の矜持のようなものが ほとばしる。 FBI,マフィアの思惑が 見え隠れする中で、 マローンが行き着いたところは… 裏切りと 殺戮の果てに 行き着いたところは、 哀しいほど 誇りに満ちた、生き方だった。

2018/12/31

夢追人009

久し振りの海外ミステリー大長編の読書に正直言って相当に苦戦しました。ギャングやマフィアから封筒に入れた賄賂を平然と受け取る警官達にムカついて怒り心頭に発しましたが、漸く上巻373頁から流れが変わり「驕れる者久しからず」の展開に一気に目が覚めてグイグイと読書のペースがUPしましたね。マローンはトーレスみたいに拳銃を咥えて引き金を弾く勇気はなかったけれど、麻薬の始末と勝ち馬に乗る嘗ての己のチームの如き悪徳警官どもを成敗した活躍は立派でしたし、麻薬王ドミ公ペーナを殺した真実の動機を知って少しだけ見直しましたね。

2018/09/23

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