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救いの森

救いの森

救いの森

作家
小林由香
出版社
角川春樹事務所
発売日
2019-02-13
ISBN
9784758413329
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「救いの森」のおすすめレビュー

BOOK OF THE YEAR 2020投票スタート! まずは2019年小説部門を振り返る!半沢直樹じゃない、もうひとつの池井戸潤作品

『ノーサイド・ゲーム』(池井戸潤/ダイヤモンド社)

『ダ・ヴィンチ』の年末恒例大特集「BOOK OF THE YEAR」。今年の投票期間がいよいよスタート! ぜひあなたの「今年、いちばん良かった本」を決めて投票してみてほしい。  ここで改めて2019年にどんな本がランクインしたのか振り返ってみることにしよう。

 2019年の首位に輝いたのは池井戸潤の『ノーサイド・ゲーム』。左遷されたエリート社員が、成績が低迷するラグビー部の改革に乗り出す物語が、働く大人の圧倒的な支持を得た。大泉洋主演でのドラマ化や、ラグビーW杯で日本代表がベスト8入りを果たした快挙も追い風となったが、やはり決め手は作家と作品の質への信頼感。「池井戸潤は裏切らない」、そんな熱い声が2018年から2年連続の首位に押し上げた。

『小説 天気の子』(新海誠/KADOKAWA)

 2位は新海誠の『小説 天気の子』。観客動員1000万人超を記録したヒット作を、監督自らがノベライズ。映像では表現しきれなかった心理描写を盛り込むことで、鑑賞後の補完テキストとして若年層の心を掴んだ。

『沈黙のパレー…

2020/9/4

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凄惨な虐待事件とはどう向き合う? 子どもの未来を考えさせられる社会派ミステリー小説

『救いの森』(小林由香/角川春樹事務所)

 千葉県の野田市で起きた10歳女児死亡事件はSOSを出した子どもに救いの手が差し伸べられず、行政の対応にも厳しい批判が相次いだ。だが、これは氷山の一角だ。児童虐待事件は家庭という閉鎖的な空間で行われるため、明るみになりにくく、児童相談所の介入だけでは解決することが難しい場合が多い。

 そんな悲しい現状にスポットを当て、どうすれば子どもの未来を守れるのかを考えさせてくれるのが『救いの森』(小林由香/角川春樹事務所)である。

 本作にはいじめや虐待、誘拐などから子どもの命を守るため、「児童保護救済法」が制定され、児童救命士が活躍する世界が描かれている。

■救いの手を拒絶する理由に愕然  主人公の長谷川は、新米の児童救命士。日頃から世間を騒がせる凄惨な児童虐待ニュースに強い憤りを感じており、子どもたちの命を守りたいという使命感に駆られていた。

 そんな長谷川はある日、パートナーである新藤敦士と共に小学校で「ライフバンド」の検査を行うことに。「ライフバンド」とは、児童保護救済法の施行後に義務教育期間に当たる6~15歳の児…

2019/2/23

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救いの森 / 感想・レビュー

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starbro

先日読んだ『罪人が祈るとき』に続き、小林 由香、二作目です。近未来児童レスキュー物語、児童救命士とライフバンドが実現出来れば、児童虐待やイジメは解消させられるかも知れません。実現に向けた動きはあるのでしょうか?

2019/04/12

nobby

僕は正直、子供が苦手だ…勝手気ままな言動を微笑ましくは思えず、眉ひそめることも多々ある。だから率先して関わることはほぼ無い…それでも姪っ子や甥っ子、また利用者として携わる時には必死で相手をする。例え慣れぬ故に大男のおっかなびっくりな態度に怯えられ泣かれても…それでも時に笑ったり甘えたりされると嬉しくもなる。そんな子育てもしていない無責任な立場からでも強く訴えたいことがある。こんな大人に気を遣わせるばかりの子供を増やしちゃ駄目だ…いくら余裕がない世の中であれ「大人は子供を守る」その責務はたすのは当然のこと…

2019/03/17

いつでも母さん

「大人になるまで、生きていてほしい」そんな事を願う世の中になっちゃったんだなぁ。小林由香さん今回も又、凄いのを突き付けてくれました。『児童保護救済法』こんな法が出来て『ライフバンド』を起動した子のもとに『児童救命士』が駆けつける・・そんな時代にならなきゃ子供のSOSは聴こえないのか?連作4話現代社会の抱える問題と共に、新人児童救命士・長谷川の葛藤と成長を見た。先輩・新堂のこれからも気になる。シリーズ化を希望したいところだ。

2019/03/04

しんたろー

小林さん3冊目。命の危険を感じて起動すると児童救命士がかけつける「ライフバンド」を子供が着用する義務がある日本を舞台に新米救命士・長谷川の活躍を描いた物語。 脚本を書いていた作家さんらしい「現実に一味加えた」設定が巧い!先輩救命士・新堂のキャラも「いかにも」な創り込みがなされているし、チームの面々も目に浮かぶ。イジメ、虐待、ネットの悪意など現代の問題を主軸にしているので重いテーマではあるが、長谷川の成長する「お仕事小説」としても読めるし、前2作よりは軽めだが社会派ミステリとしても標準以上で、ドラマ化向き。

2019/07/16

うどん

児童救命士がいてくれたら…。と、とても思いました。良かったです。

2019/04/04

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