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古本食堂 (ハルキ文庫 は 16-1)

古本食堂 (ハルキ文庫 は 16-1)

古本食堂 (ハルキ文庫 は 16-1)

作家
原田ひ香
出版社
角川春樹事務所
発売日
2023-09-15
ISBN
9784758445948
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古本食堂 (ハルキ文庫 は 16-1) / 感想・レビュー

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しんごろ

神保町で小さな古書店を営んでた兄の慈郎が急逝して、その店とビルを相続することになり、帯広から単身上京してきた珊瑚さを。手伝うことになった親戚の美希喜と供に、あーだこーだする話。店のカレー、ピロシキなどをテイクアウトしたら、なぜが足りなくなるのは笑えた。一話につき一冊の本の紹介。これが良い。いろいろな本の紹介に話を費やしてないから、古書店の雰囲気と時間の流れを感じながら物語の世界に入り込める。本屋さんや古本屋さんにまつわる作品はいろいろ読んだけど、かなり良かった。神保町でいつか古書店巡りしたい。

2023/10/14

さてさて

『鷹島古書店』を滋郎に代わって営む珊瑚と大学院に通いながら大叔母の珊瑚を手伝う美希喜の日常がある意味淡々と描かれていくこの作品。そこには”本 × 食”を絶妙にコンビネーションしたからこそ納得できる『古書があふれていて、おいしいものがあふれていて』という書名の意味に感じ入る優しさに溢れた物語が描かれていました。リアル世界に刊行されている本がそのまま紹介されるこの作品。美味しそうな”食”の描写に食欲が刺激されるこの作品。“本”が大好きで、”食”も大好きで…というそんなあなたにぜひご賞味いただきたい作品でした。

2023/10/17

エドワード

私の神保町の印象はカレーの匂いだ。この街が舞台の作品は数あれど、一二を争う面白さだ。鷹島古書店の店主、滋郎が急逝し、北海道に住む妹の珊瑚が店を相続する。一方、滋郎の姪の娘で国文学科大学院生の美希喜は店へ足繁く通っていた。高齢の珊瑚と若い美希喜の交流を軸に物語は進む。本と書店の将来が不安な昨今、ご無沙汰している神保町がまだ元気そうな様子に安心する。本を愛する人々が集まる店の雰囲気に自然となじむ珊瑚だが、故郷のある男性に想いをはせていた。進路に悩む美希喜が、滋郎から受け取るメッセージ、終幕の幸福感が秀逸だ。

2023/11/06

ノンケ女医長

表紙に描かれる、鷹島古書店。いい本が安く良心的と、文学部の教授が気に入っている。長年、大切に書店を育ててきた鷹島滋郎が、亡くなった。店の行く末を懸念した親戚が、遠く北海道から神保町まで訪れる。他界した後にようやく関わりを持とうとする血縁に、故人の大切な財産や思い出が浸食されていくようで、どうも好きな展開ではなかった。いろいろなことを知られてしまって、滋郎は天国でどう思っているのだろうか。配慮、遠慮、気遣い。滋郎の気苦労が、遺族によって台無しにされたような気がした。

2023/10/22

Nao Funasoko

「本」に纏わることを漠然と諸々考えてきたここ半年。今年最後!?の一冊はやはり本に関わる小説だった。 登場人物それぞれも、それぞれの関係性も、ちょっとイレギュラーな感じもなんとなくいい。「いろいろあって、みんないい」そんな物語。 本はもちろん、実在のお店もいくつもでてきたりして、その辺の親近感も心地よかった。

2023/12/28

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