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マンガの「超」リアリズム

マンガの「超」リアリズム

マンガの「超」リアリズム

作家
紙屋高雪
出版社
花伝社
発売日
2018-04-19
ISBN
9784763408525
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「マンガの「超」リアリズム」のおすすめレビュー

少女マンガはスポ根化した!? ダメ人間キャラはどうして愛しい? 現代マンガ評論の最前線

『マンガの「超」リアリズム』(紙屋高雪/花伝社)

 あるマンガ作品の内容が「暴力的」「過剰に性的」として、問題視されるのは珍しいことではない。数々のマンガ作品が「有害図書」に指定され、青少年への悪影響を懸念されてきた。しかし、マンガ評論家でありブロガーの紙屋高雪さんは「絵本はいいのに、マンガはダメなの?」と問題提起をする。絵と文字を組み合わせ、幼い年代にも訴えかけやすい表現として、確かにマンガと絵本は似ている。だが、絵本の内容について子どもへの有害性を論じた事例は、マンガに比べると圧倒的に少ない。

 どうしてマンガだけが世間から目の敵にされるのだろう。そして、マンガだからこそ描ける「重要なテーマ」もあるはずなのではないか。紙屋さんの新著『マンガの「超」リアリズム』(花伝社)は、現代マンガの受容について、一石を投じる評論集だ。ここで紙屋さんは「マンガが正義や理想も描けること」「それでもマンガが一般的な正しさとぶつかってしまう瞬間があること」を考える。そして、「有害と思われているジャンルの面白さはどのようなリアルによって成り立っているのか」を追求する。…

2018/6/23

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マンガの「超」リアリズム / 感想・レビュー

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きいち

ONEPIECEへの疑念表明で炎上したらしいけれど、ストーリーも描き方もディティールも各作品しっかり読んでいく視線は本当にマンガ好きなんだなと納得できる。◇「はだしのゲン」「この世界の片隅に」の空襲の場面に描かれる次どうなるかわからない右往左往ぶりと、俯瞰で戦闘場面を描くマンガに感じられるカッコよさの違いには納得だし、エロマンガ表現規制への拒否とその表現そのものへの逡巡ぶり、「聲の形」評も。◇そして、最終章が「神聖喜劇」。原作、のぞえ版最終巻の記述の後、主人公東堂の戦い方への憧れを読んで思いきり共感する。

2018/11/19

コウみん

マンガとは何か。 表見論としてのマンガ論は様々な形があり、その中で作者が読者に何を伝えたいのかをコマと絵として表現することで漫画は面白くなる。 マンガ学を学びたい人たちのための一冊であった。

2020/07/28

さとちゃん

まえがきにある「絵本はいいのに、マンガはだめなの?」が本書の出発点なのでしょうね。実際には絵本も小説もマンガも論文も玉石混淆なのですが、なぜかマンガは教育の場で悪者扱いされる。マンガが描き出すリアリズムとは、の考察が丁寧になされているので、その対象のとらえ方に同意できる部分、できない部分どちらも落ち着いて読み進めることができました。

2018/04/30

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