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師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方

師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方

師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方

作家
井上理津子
出版社
辰巳出版
発売日
2023-03-01
ISBN
9784777828258
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師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方 / 感想・レビュー

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trazom

庭師/染織家/仏師/刀匠/英国靴職人/硯職人など16組の師弟が登場する。師匠の多くが「俺の背中を見て覚えろ」「理屈はいらんのや」と鍛えられたのに、弟子には「コツを口で伝える」などの具体的な指南を心掛けておられることが印象に残る。名人とは、頑なに自らの体験に拘ることなく、時代の変化に適応した指導ができる人なんだろう。修行中は「無給が当たり前」にも驚く。それを承知でこの世界に飛び込んでくる若者たちは、師匠の技と無償の愛とが、何者にも代えがたい給料だとわかっている。「職人」という世界の気高さが心に染みる一冊。

2023/04/22

けんとまん1007

職人という言葉の響きには、独特なものがある。自分自身の親戚には、職人といわれる人が多いほうだと思う。そのこともあってか、職人と言われる方々への特別感は、比較的、低いほうだと思う。それでも、ここに描かれている師弟関係(親方と弟子)には、好ましいものを感じる。そこには、人と人との空間があること、思いがあることからくるのだと思う。

2023/07/06

たまきら

後継者がいないーそんな言葉をあちこちで聞きますが、読み友さんのおかげで師弟関係を紹介している本に出会うことが出来ました。コロナ禍にこのような取材を可能にした制作現場の人たちの情熱にまずは頭が下がります。この国は決して職人が住みやすい国ではありません。けれども同時に彼らの技を取り上げることもできません。30年後にまた日本の技術がどのように変化しているか…良い方向であることを祈ってやみません。

2023/06/30

Roko

最近の職人さんの師弟関係は随分変わってきたのです。お給料が安いのでバイトをしているという人はいますけど、この本に登場する弟子のみなさんは、それを苦にしない人ばかりです。なぜなら、みなさん良い師匠についているからなのです。最初は掃除からというのも、そこから学ぶことがあるということに気づける人は残っていけます。仏師、左官、文化財修理、宮大工、洋傘職人、硯職人、茅葺き職人など、そもそも、どうしてその職業に魅力を感じたのか、どうやって師匠を探したのかなど、実に興味深いお話が続きます。

2023/07/05

tom

お仕事小説は好きだ(青木祐子、千草茜、三浦しをんなどなど、直近では山本幸久も)。その関連で職人仕事のルポ本をときどき手にする。でも、たいてい間抜け本。職人仕事の表面だけをなぞって「いい仕事してますねえ」なんてコメントで終わる。この本はその延長線かも思いながら手に取った。でも、拾いものだった。読み終えて、どうして?と考えた。この本は、弟子に注目している。庭師、仏師、左官、切子、靴職人、硯職人、みなさん熱い。仕事に熱い。これが良いのだと思ったのでした。この類の本としては、出色の面白さでした。

2023/06/02

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