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淡島百景3

淡島百景3

淡島百景3

作家
志村貴子
出版社
太田出版
発売日
2019-03-14
ISBN
9784778322984
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「淡島百景3」のおすすめレビュー

舞台に立つことを夢見る少女と、かつての少女たちの心を鮮やかに描き出す『淡島百景』

『淡島百景』(志村貴子/太田出版)

 大人になれば、悩みなどなくなるのだと思っていた。ところが、いざ大人になってみると、悩みなんてなくなるどころか増えている。自分だけが悩んでいたわけではなかったのだということも、だんだんとわかってきた。気がついていなかっただけなのだ。教室で隣の席にいたあの子も、ちょっと苦手な先輩も、いつも元気な後輩も、それぞれ悩みを抱えていたのに──女の子たちはみな、朝の支度を終えてしまえば、素顔を見せない名役者たちだから。

『淡島百景』(志村貴子/太田出版)は、そんな少女たちの仮面と素顔を、重層的に描き出す群像劇だ。

 淡島歌劇学校合宿所──そのままの名ではあまりに色気がないので、生徒たちは代々“寄宿舎”と呼んでいる。春、その“寄宿舎”に入寮したのは、ミュージカルスターに憧れて淡島歌劇学校に入った新一年生の田畑若菜。寮での暮らしは、なかなかに気を遣う。なにしろ、部屋は先輩と同室、お風呂は共同浴場だ。そんな共同生活に耐えられないと涙を流す入寮生は、先輩方に“手のかかる子”と眉をひそめて見られるが、反対に“手のかからない子”は、先輩に…

2019/5/2

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淡島百景3 / 感想・レビュー

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ぐうぐう

歌劇学校を舞台としていながらも、歌劇そのものよりも、そこに集う少女達のパーソナルな葛藤に焦点を当てているのが、この漫画のユニークなところだ。「私たちを縛り付けるものは たいてい私たち自身だ」少女達には、各々の背景があり、各々の悩みが存在する。けれど、同じ想いで入学した彼女達は、だからこその絆を感じている。そこに気付くとき、違いは個性に繋がり、悩みは共有されていくのだ。

2019/04/10

ソラ

久しぶりの新刊。こいいじもよかったけど、淡島百景が良いなぁ

2019/03/17

ちぇしゃ

時間軸が行ったり来たりする群像劇にしたのは、歌劇学校という特殊な「場所」とその場所の目指すところとその意味を主軸にしたかったからなのかな。学校は特殊な場所で、学生は通り過ぎていくお客様で、教職員は要素にしかすぎず、その「場所」の意志のようなものを日ごろから感じてるところがあります。同じ場所にいても時間の経過やそれぞれの立場の違いによって視野も見つめる先も全く異なっているという面白みがある。この漫画のすごいのは場所を主軸にして、時間軸を多層化して普遍的な「人」と「感情」を描いているところだと思う。

2019/07/29

うさぎや

ダブルキャストの話が良かった。大人になるってこういうことだよね……

2019/03/16

どんぐり@京都の何処かで

この作品はおっさんには楽しみ方が難しい。絵を愛でつつ話を諳んじて雰囲気を楽しむのかな。素敵な作品ですが、もっと若ければもっと楽しめたんだろうなと。少し寂しい気持ちに。青春を精一杯生きる、その隣に親友がいる。素敵じゃないですか。

2019/03/26

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