隣の聞き取れないひと APD/LiDをめぐる聴き取りの記録
ジャンル
「隣の聞き取れないひと APD/LiDをめぐる聴き取りの記録」のおすすめレビュー
うるさい場所や複数人での会話になると聞こえない――“APD/LiD”をめぐる取材から見えてきたもの
『隣の聞き取れないひと APD/LiDをめぐる聴き取りの記録』(五十嵐大/翔泳社)
フジテレビ系で放映されたドラマ『silent』が、いま大きな話題を集めている。病気で聴力を失ってしまった青年と高校時代の同級生のせつない恋を静かに描くこのドラマによって、「耳が聞こえない」という困難な現実について、自分事として考えたり、自分ならどうするか考えたり、よりパーソナルな目線で向き合うことができたという人も多いのではないだろうか。
ドラマの主人公は完全に聴力を失ってしまっているが、聴力の困難といってもいろいろなタイプの方がいる。たとえば最近、少しずつ知られるようになってきたAPD(=Auditory Processing Disorder:聴覚情報処理障害 LiD=Listening Difficulties:聞き取り困難症ともいう)をご存じだろうか? うるさい場所や複数人での会話、あるいは電話越しなど特定の状況下では「聞こえているのに、聞き取れない」という困難に陥ってしまう症状のことで、当事者の多くはなかなか周囲に理解されないために苦しんでいるという。…
2022/12/28
全文を読むおすすめレビューをもっと見る
隣の聞き取れないひと APD/LiDをめぐる聴き取りの記録 / 感想・レビュー
ちょこ
聴力には問題ないのに聞き取りが困難な人たちのことをAPDという。学校ではどうにかやり過ごすことができても社会に出て壁にぶつかるのだ。バイト先で指示が聞き取れない、同僚との会話が聞き取れない等々。そのため仕事をやめた人もいる。APDと診断されたからといって特別な治療ができるわけでも医療費補助が出るわけでもない。でも名前がつくことによって変わることはある。共事者という言葉が本書の中に出てくるが当事者非当事者で線を引くのではなく社会の一員として共に連帯することはできるはずだという。分断ではなく連帯を。
2023/06/20
マイアミ
★★★★ APD(Auditory Processing Disorder)。聴覚情報処理障害。聴力に問題はないのに、特定の状況下で相手の言葉が聞き取れなくなってしまう困難。海外では聞き取り困難を意味するLiD(Listening Difficulties)がAPDに代わる言葉として採用されつつある。耳鼻科にいっても聴覚に異常はないので、この障害が障害と認知されない現状や、周囲に説明する難しさ、理解してもらう難しさ、障害者手帳をもらえず補助金を受けられない、等々。様々なことが学べた一冊。
2023/03/05
ヨシ
APDについてよく理解できた。もっとたくさんの人がAPDについて知ることが大切。
2023/07/15
もちこ
聞いたことはあったけど…程度だったので、1冊目に最適でした。 作者さんの素直な気持ちと、当事者の方々、「共事者」の方々がそのまま書かれているような、読みやすさ。 隣に立つって、難しいよね… 2024-7
2024/02/14
ponyoxa
聴力には問題ない。なのに聞き取れない。そういう困難をもった人たちについての本。人にはそれぞれ聞き取りづらさが大小問わずあるんだろうと思ったけど、それによって生活が難しくなってしまう場合もある。当事者、筆者のそれぞれの葛藤も生々しく描かれている。おすすめの本
2023/01/17
感想・レビューをもっと見る