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パリの空の下で、息子とぼくの3000日

パリの空の下で、息子とぼくの3000日

パリの空の下で、息子とぼくの3000日

作家
辻仁成
出版社
マガジンハウス
発売日
2022-06-30
ISBN
9784838732074
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「パリの空の下で、息子とぼくの3000日」のおすすめレビュー

パリ在住の辻仁成、シングルファザーの日々を綴った3000日間の記録――自立するわが子を見送る親の姿はまぶしい

『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』(辻仁成/マガジンハウス)

 作家でありミュージシャンの辻仁成さんが、シングルファザーになってからの日々の記録を綴った書籍『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』(マガジンハウス)。この本が、発売から約1カ月で4刷されるほどのヒット作となっている。息子が14歳から18歳になるまでの多感な時期、パリのアパルトマンで2人暮らしをした著者は、息子との暮らしで何を感じていたのだろうか。

息子の笑顔を取り戻すために

ある夜、子ども部屋を見回りに行ったら、寝ている息子が抱きしめているぬいぐるみのチャチャが濡れていた。(中略)その時、本当に申し訳なく思った。自分が母親の役目もしなきゃ、と思ったのもその瞬間だった。(中略)大きな冷たい家だったので、これはいけないと思い、小さなアパルトマンに引っ越し、ぴったり寄り添ってあげるようになる。

 この冒頭の文章は、まだこの本に2人暮らしの記録が刻まれる前の話。著者が息子と寄り添って暮らしていこうと決意した時の気持ちが綴られている。当時、まだ10歳だった息子は、著者がシングルファザーに…

2022/9/20

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パリの空の下で、息子とぼくの3000日 / 感想・レビュー

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starbro

辻 仁成は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 エッセイというよりも、私小説、父息子の物語でした。 著者は、20年もパリ在住なのに、フランス語で文章が書けないなんて思いませんでした(驚) https://magazineworld.jp/books/paper/3207/

2022/09/14

mukimi

私も母1人子1人の世界一小さな家族で育ったから同じ小ささの父子家庭は最も気になる家庭の形であり興味津津で読んだ。親子の魂のつながりとか親の生き方を盗むのが子供の仕事とか、もし親に言われたら(反抗期の息子さんみたく)重いよ!と言いたくなるけど、父親と母親の両方を演じてやらないといけないという片親の思いを知り、これまでなら過去を振り返って感傷的になっていたかもしれないが、間も無く親になる身としてはただ静かに覚悟を深めた。のほほんとした日記のようでいて奥が深くて、愛に満ち思索に富んでいる。

2023/09/24

ルピナスさん

多芸多彩な辻仁成氏も、家庭ではご飯を用意し、息子の話に耳を傾け、思春期に翻弄されまいと奮闘する毎日。一人の父親の公開日記として微笑ましく読んだ。父親に「何かユニバースが足りない。折角パリにいるのに何してるの?」ふふふ。むかつきながらそんな息子さんを逞しく思い愛し応援する想いがギュッと詰まっている。本当に思春期って時期は・・自分が喋りたい時だけ饒舌に主張し、他は薄い反応。こちらから冷戦宣告したくなりますね!階級社会を心配し気を揉んでいたけれど、息子君は伸びやかに巣立って行った。我が家もそんな日が来ると良いな

2023/11/24

pohcho

息子が10歳の時に離婚し、異国でシングルファーザーになった辻さん。本書では14歳から18歳までの父子の日常が綴られている。親戚の女性を間違えて「ママ」と呼んでしまい、普段泣かない子が大泣きしたエピソードには胸をつかれた。今時離婚は珍しいことではないけど、子供にとっては本当につらいことなんだね。そんな息子さんも立派に成長されて。最後は胸がいっぱいになった。BSのパリごはんもよく見ていたが、映像だとどうしても綺麗、美味しい、お洒落中心になるので。文章で読むと辻さんの内面が伝わってくるなと思う。とてもよかった。

2024/04/04

もぐもぐ

辻仁成さんと14歳の息子くんとの、5年間のパリ暮らしエッセイ。思春期ど真ん中だったりコロナ禍だったり大変な事も多かったと思うけど、いつも愛情溢れる(そして時々拗ねる)仁成とうちゃん素敵だった。息子くんの成長ぶりも微笑ましい。現実的な息子と夢見るとうちゃん、なんだかいいなあ。

2023/10/03

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