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冥途

冥途

冥途

作家
内田 百〓
金井田英津子
出版社
長崎出版
発売日
0000-00-00
ISBN
9784860955625
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冥途 / 感想・レビュー

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chimako

この表紙がすでに妖しい。金井田英津子さんの銅板画がふんだんに使われた贅沢な造り。物語に漂うのは不思議や怖れや諦め。何故こんなところに来てしまったのか、何故この人と関わってしまったのか、何故こんな姿になっているのか……わからないが、もうそこからは抜け出せない。まるで決まり事のように。正気と狂気の境目が漠然とあるようにこの世とあの世の境目も漠然とある。何とも言えぬ雰囲気の読後感。画の素晴らしさが気味の悪さを増幅し、読んでしまう。

2017/03/06

yumi✽.。.:*

この本もまた、金井田英津子さんの挿絵の不思議。イメージが固定されるので、挿絵に戸惑いを感じるものもある中で、モノクロームの挿絵が、物語の魅力を勢いづけ追い風になる。日や月の影りにより、またうつ向くことにより、振り向かないがために、はっきりと見てしまいたい顔がいつまでも見れない怖さを、版画の重々しさに漂う。けれど、美しいが故に、冷感が漂い涼しくなれた。人の寂しさや憂鬱や恨めしい感情も、百閒にかかると、なぜか不快でなく、酔いに似た心地良さのようなものを感じるから不思議だ。

2020/07/13

sin

漱石の夢十夜を想い描きながら読み始めたが、もっと理性的な構成で不思議を追求したような物語であった。ひとつひとつの物語が物悲しい悪夢の描写でかなり雰囲気のいい作品であり、金井田さんの画はじょうずにその雰囲気に融合している。

2013/08/24

tenso_h(堀川てんそ)

この本、幼いころ発熱で悪夢にうなされ朦朧として目覚め涙した夜を思い起こす。色彩・嗅覚・・思えば五感の鋭敏さは苦しみしか生んでいなかったような。美しいなどと思うのは振り返ってからのこと。各話がプツンと断ち切るように終わる度そんなことを思う。金井田英津子さんの絵(版画かな)が添え物などでない存在感を持っているのに百閒さんの世界と共存している。大人の鑑賞に堪えうる「絵+文」の本。

2013/07/10

ココマ

全編現実的ではない風景が出てきて想像が難しいところが多かったように思えたけれど、細密な挿絵に色々助けられた感があった。結末のはっきりしない話も多いが、そこが古典風で面白い。表題作の「冥途」は、やっぱり心にじーんとくるもの、ノスタルジーがあった。

2017/07/30

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