終楽章
終楽章 / 感想・レビュー
おはぎ
お父さまの介護について詠んだ章の題が「真夜中のコント」なのが、いかにも笹さんらしい。お父さまや大切な師を相次いで亡くされ、追悼の歌も多い1冊。静かで、温かで、ちょこっとユーモアがきいている。「怨念にも寿命はありて関ヶ原合戦場跡を覆うしずけさ」「サイゼリヤの壁で抱き合う小天使がわんぱく相撲に見えるまで飲む」「へその緒はときめかないから捨てた方がいいのでしょうか? こんまり先生」
2023/01/19
qoop
キッチュな幻視とシビアな生活の境界を飛び越えつつ詠まれた歌。かつては易々と越えていくと見えたが、本書では父の介護に戸惑い腐心する様子を歌い、より切実に生活上の要請として、越えざるを得ない日常が見えるかのよう。同世代の歌と感じる。/五島勉死して思えり99年に貯金下ろして豪遊せし友/居間に座す父に「どなた?」と問われれば脳内に壺の割れる音する/浅き眠りの父を傍に読みふける介護の歌なき万葉集を/河原に棲む人面石の顔うすくなり成仏間近とおもう小春日/邪馬台国秦氏ヒトラー王仁三郎「月刊ムー」のローテーション見抜く
2022/10/01
ひろ
読んでよかった。大好き。
2023/03/26
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