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出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記

出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記

出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記

作家
宮崎伸治
出版社
フォレスト出版
発売日
2020-11-24
ISBN
9784866809120
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「出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記」のおすすめレビュー

ベストセラー本の翻訳家は、どうして出版業界を去ってしまったのか?

『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』(宮崎伸治/フォレスト出版)

『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』(フォレスト出版)の著者・宮崎伸治さんは約30冊の翻訳書を出している。その中には『7つの習慣』の第二弾にあたるベストセラー『7つの習慣 最優先事項』も含まれている。しかし現在、宮崎さんは出版翻訳の仕事を辞めている。

 本書は著者がひとつの職業を辞める決断をするまでの経緯が綴られている。ひしひしと伝わってくるのは、出版業界のみならず働くときに雇われた側の立場がいかに弱いかだ。著者の異なるこのシリーズの前作『メーター検針員テゲテゲ日記』と共通している。

 宮崎さんは理不尽だと感じた出来事に対しては、時に裁判になっても真っすぐに立ち向かっていく。

“この裁判沙汰を経験して痛感したことが2つある。ひとつはトラブルが多い出版業界に身をおいておくには本人訴訟ができる程度の法的知識は身につけておくべきということ。そしてもうひとつは仕事を引き受けるときに欲望に惑わされてはならないということである。”

 これは明らかに自分のためだけではなく、後に続く出版翻訳家た…

2020/12/31

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出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記 / 感想・レビュー

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徒花

すごい本だった。出版社で編集者として働いている私が見ても「出版社とか編集者はクソばっかだな!」と感じてしまうような内容。海外本の翻訳者として活躍した著者が翻訳の世界から離れる決断をするに至った経緯を赤裸々に綴ったエッセーなんだけど、口約束は平気で破るわ、ウソをついて誤魔化そうとするわというエピソードのオンパレード。都合が悪くなった人間の手のひら返しっぷりがすごいが、所詮同じ穴の狢である私としては笑ってられない内容でもある。

2021/07/27

修一朗

翻訳が完了して作品を納品した後に印税を下げてきたり何年も待たされた挙句に「あの仕事はなかったことに」と言われたりとか,業界編集者のひどい仕打ちにびっくりだ。これは粗製乱造の自己啓発本業界だからだろうか,翻訳者は道具扱いだ。裁判すれば出版社側が負けるのだから口約束だからとへらへらっと覆すのは違法なのだ。ちなみに宮崎さんが弁護士立てずに御自身の陳述裁判で争ったのにもびっくり。20年前の話だけども業界の口約束体質は変わったろうか。さすがに今はちょっとまともになっていると思いたい。

2021/06/08

ずっきん

出版翻訳界の暴露本。約束を幾度もひっくり返され、ついに本人訴訟にまで至るものの、心のキズは癒えぬまま。いろいろ吃驚はあるけれど、翻訳者にもファンがつく文芸読みからすると、翻訳のクオリティについて編集サイドがそれほど関心を寄せないのに衝撃。自己啓発やビジネス書ってそういうものなのか。興味深く、面白かった。

2021/02/10

ネギっ子gen

『7つの習慣 最優先事項』などの訳で売れっ子翻訳家になったが、出版社との様々なトラブルを経て業界に背を向け、「警備員」を職業とするまでの顛末が綴られる。袖では、<A書房、B書院>などとなっているが、著者自体が実名なため、ネットで調べれば翻訳を担当した出版社名は一目瞭然に出てくるし、ま、暴露本ですかね。著者は出版中止を告げられた時のショックをこう述べる。<大袈裟かもしれないが、それは出版翻訳家にとっては出産間近の「子ども」を堕胎されるのと同じくらいの大打撃である>と。翻訳原稿が大幅にカット、も切ないが……⇒

2021/01/25

ホッパー

出版翻訳家が編集者から裏切られるエピソード多数。7割くらい胸クソな話で、こんな相手と仕事はできないよ、、という人が沢山出てくる。安易に人を信用しない、譲歩しないという点は、自分を守るための学びになった。

2021/08/12

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