KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

町山智浩のシネマトーク 怖い映画

町山智浩のシネマトーク 怖い映画

町山智浩のシネマトーク 怖い映画

作家
町山智浩
出版社
スモール出版
発売日
2020-06-09
ISBN
9784905158776
amazonで購入する

「町山智浩のシネマトーク 怖い映画」のおすすめレビュー

背景を知ると凄く怖い! 映画評論家・町山智浩が紹介する九つの『怖い映画』

『怖い映画』(町山智浩/スモール出版)

 恐怖を感じる瞬間は多種多様である。例えば幽霊に会ったときも、ニュースで凄惨な事件があったことを知ったときも私たちは「怖い」と思う。

 2007年、『怖い絵』(中野京子/朝日出版社)が社会現象を巻き起こした。表紙は横目で誰かを見るひとりの女性の絵である。これの何が怖いのか。「背景を知るとわかる恐怖」は、私たちの知的好奇心を刺激した。

 美術における知と恐怖の担い手が中野京子さんなら、映画における恐怖を伝えるのは町山智浩さんだろう。既に日本でも屈指の映画評論家として名高い町山さんは、評論するすべての映画の時代背景、公開当時の評価、監督や出演俳優について調べつくし、映画の面白さを際立たせている。町山さんは『怖い映画』(町山智浩/スモール出版)で「恐怖」に焦点をあて、日本であまり知られていない九つの映画を紹介した。

 二つ例を挙げてみたい。

 まず七章目に登場する『血を吸うカメラ』(1960年/イギリス)はタイトルからして恐ろしいが、実は主人公マークの心の闇を描くことで、人間の怖さを表現している映画だ。

“マークは本当にシャ…

2020/9/12

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

町山智浩のシネマトーク 怖い映画 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

アキ

9作品の怖い映画の解説が監督の人生や過去の作品のオマージュやあらすじが詳述されていて唸らされる。町山智浩自身も在日朝鮮人だったのですね。そのため両親が離婚するまで韓国姓で、日本でまるでテナント(間借り人)のように感じていたそうです。ロマン・ポランスキー監督作品の「テナント」はユダヤ人のことで、彼がポーランド生まれで両親は絶滅収容所に送られ、ハリウッドで未成年の少女との淫行罪でアメリカにいられなくなった無茶苦茶な人生を送った事実を知ると違って見えます。「戦場のピアニスト」「士官とスパイ」とともに見たい映画。

2021/04/04

kei-zu

「知らない映画について説明されても…」そんな心配は無用の見事な語り口。 「怖い」といっても、お化けや殺人鬼が出てくる怖さではありません(出てくるけど)。 制作時の時代背景や映画に仕掛けられたトリック、監督の個人的などなど、物語に秘められた「怖さ」の説明は、物事を多面的にみる必要性を感じさせてくれます。 そして何より思うのは、「映画っておもしろい!」

2021/03/08

遊星

タイトルに「町山智浩のシネマトーク」とあるが、映画その他ムダ話でのトークをベースに「怖い映画」を集めて書き起こされた一冊。一言で「怖い」と言っても、ロメロの怖さとポランスキーの怖さとマイケル・パウエルの怖さは違うわけで、町山さんらしく監督の生い立ちや時代背景を追いながら、それぞれの作品の怖さの源泉を探っていく。よく知っている作品でも新たな魅力を発見する喜びが得られた。お奨めです。

2020/06/22

Akito Yoshiue

怖い映画は苦手だが、それでも観てみたくなってしまうところに町山さんの語りのうまさがある。

2020/06/15

たらお

かつて見た映画を懐かしみ、思い出す+関連映画・文学の再認識+作品がつくられた時代背景で再発見+映画に投影した監督の性格など、一つの作品の語りで二度、三度美味しい、相変わらずの町山節。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(68)」が当時のアメリカ人にとってのトラウマ的イメージを集めたものらしく、【ケネディ暗殺63】【ベトコン捕虜射殺映像68】【南ベトナム軍事政権への抗議として僧侶が焼身自殺63】【白人暴徒による黒人襲撃事件19】などアメリカの暗黒面を表している背景などは本書を読む前と後で見方も変わる。

2020/06/19

感想・レビューをもっと見る