彼女のひたむきな12カ月
彼女のひたむきな12カ月 / 感想・レビュー
どんぐり
ゴダールの二番目の妻、作家モーリアックの孫、ブレッソンに見出された女優アンヌ・ヴィアゼムスキー。本書の続編『それからの彼女』が最近翻訳刊行され、その映画『グッバイ・ゴダール!』が劇場公開される。本書は、パリの大学で哲学を学ぶアンヌが17歳年上の映画監督ジャン=リュック・ゴダールとの出会いから結婚に至るまでが綴られている。アンヌを抜擢しての『中国女』の撮影秘話もあり、映画ファンには興味が尽きない。アンヌを目の前にして声を出して泣くゴダールの意外な側面もみせてくれる。
2018/07/01
ロア
2つも賞を取った本であることと、一度見たら目をそらせない印象的な著者本人の表紙写真に惹かれ、手に取った次第。いやもうなんか色々すごかった!(∩^ω^∩)芸能人の暴露本を読んでるんだったっけ?と途中で思ってしまったほど。このアンヌちゃんはマメに日記をかく子だったらしく、その日記を元に書かれてるのかな?そんな事よく覚えてるねーってくらい当時の出来事が詳細に綴られてます。とにかくゴダールが情熱的なのです!あとがきではボロクソ言われてしまってますが、そんなところも含めて私は好きですけどね(^ω^)
2016/09/08
garth
これだけ読むとゴダールおっさんどうなんだよって感じなんだけど(で、それはかなりの部分事実ではあるんだろうけど)、オレはこんな風に書いてしまうアンヌ・ヴィアゼムスキーのほうがどうなのと思ってしまった。絶対こんな無垢なカマトトじゃなかったと思うんだけどなあ。そういうわけでリチャード・シラー夫人が小説を書くとこんな風になるんだろうと思った。
2016/09/12
アヴォカド
それを言っちゃあおしまいよ、なんであるが、なんとも遠い。彼女自身が望んだわけではないにしても、文化的にも(モーリヤックの孫!)階級的にも(亡命ロシア貴族の娘!)経済的にも(ブーローニュの森にほど近い高級住宅住まい!)交友関係にも、何もかもに恵まれたセレブの、映画のストーリーのような12ヶ月で、でも19歳の小娘だよね?とところどころツッコミを入れたくなる。半世紀もたって書くことには記録としての意味もあるし、書くだけの才能も素晴らしいが、過去は常に美化のファクターがかかっていることを忘れることは出来ない。
2016/10/14
浅西マサ
文豪モーリャックの孫でゴダールの元妻だったアンヌ・ヴィアゼムスキーが19歳でゴダールに出会って結婚する過程を描いた回顧録。元々超お嬢様の上に、ゴダールと知り合ってからの人脈が更にゴージャスになっていきます。モーリス・ベジャールとの会話や、とりわけやジャンヌ・モローの粋な女主人振りにうっとり。翻訳が良いのもあるのだろうけど、流れるような文体でとにかく読みやすい。もっと読みたいところで終わっているのが惜しいけど、この後に出版された続編が「グッバイ・ゴダール」として映画化されているらしい。続編も読みたい。
2019/03/12
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