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彼女の体とその他の断片

彼女の体とその他の断片

彼女の体とその他の断片

作家
カルメン・マリア・マチャド
小澤 英実
小澤身和子
岸本佐知子
松田青子
出版社
エトセトラブックス
発売日
2020-03-10
ISBN
9784909910042
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彼女の体とその他の断片 / 感想・レビュー

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くさてる

身体のどこかにリボンを巻いている、からだが消えていく、八口以上食べなくなる手術を受ける、いるのいないのか分からない赤ん坊を受け取る、そんな女性たちの短編集。奇想と言えば奇想だけど、ファンタジーと呼ぶほどふわふわとしていない。性とジェンダーにまつわる傷口が見え隠れする部分は、むしろ痛い。シャーリイ・ジャクスンやジョイス・キャロル・オーツの名前が出てくるのも頷ける雰囲気だけど、より現代的な印象を受けました。良かったです。

2020/06/27

田氏

まず、著者やレーベルのスタンスからすれば、おそらく自分はいい客とは見られないだろう。この小説にどんな主義主張や思想、問題意識が込められていようが、自分はただ小説としてのみ受け取りたかったからだ。そして、ただ小説として読んだこの小説は美しかった。透き通っていたり、歪んでいたり、濁っていたり、ほのかに光っていたり。いい客でない自分は、それを物陰から盗み見る。壊してしまわないよう、できるだけ解釈せずに、汚さないように、手で触りたい気持ちを抑える。読み終わったら何事もなかったように立ち去る。その前後に変化はない。

2020/06/27

えりまき

2023(108)混沌。訳者の松田青子さんに惹かれて手に取りました。奇妙でホラー、つかみどころのない文章が、女性の生き方そのものだと感じました。「八口食べる」の「私が犯してしまった罪は山ほどある。どうしてあの子にフェミニズムについて教えなかったのだろう?」にドキリとしました。

2023/04/22

ズー

向こうの国の昔話とか、スラングとか比喩とかを絡めてる話が多く、?って部分も多いし、最後まではっきり種明かしせず、読み手に話の結末を考えさせる感じとか。フワフワして掴めない読み心地が良い。同性愛 異性愛か読み出し分からない感じも良い。この手の本はあとがき読めば大抵なるほどと思う。でもなるほどとならなくても、大まかに感じて読むって感じがいい。

2020/07/07

まーぷる@低浮上

女性が書いた女性のための物語。首に常にリボンを巻いている以外は平凡なある女性が最後にリボンを解いたその瞬間を描く「夫の縫い目」、パートナーから突然赤子を預けられる「母たち」、透明な女性がドレスと共に縫い付けられている「本物の女には体がある」が良かった。一般的に描かれる女性のセックスには常に男性の存在があるけれど、この短編集で女性の性は女性のみで成り立つ。そんな当然の事実が自分の価値観に新しく澄んだ風を吹き込んでくれた。シャーリイ・ジャクスン賞受賞ということで、ジャクスンも読んでみたくなった。

2020/08/09

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