『けいおん!×けいはん!』 キャラクター電車が街を走る滋賀県大津市の試みとは?

アニメ

更新日:2015/6/26

地元住民の声から企画がスタート

深夜アニメ作品と大津線によるタイアップ企画の立ち上がりは、意外にも地元住民からの声がきっかけだった。「滋賀県が舞台のモデルになっているアニメがあるので、是非タイアップして欲しい」という電話やメールが大津鉄道部に寄せられ、県民の要望に応えて大津線営業部がタイアップ企画をスタートさせた。まず、各版権元からキャラクターのイラストやアニメの素材を受け取り、それをもとに大津市内のデザイン会社に車両を飾り付ける素材のデザインを依頼する。

 装飾に使うパーツのデータがそろった後は、大津鉄道部技術部門の社員が自ら社内にあるインクジェットプリンタを使って出力を行う。現在は外部業者へ作業を委託しているが、企画を始めた当初は電車のラッピング作業も社員が一部手作業で行っていたそうだ。営業部門だけでは人手が足りないため、社内の協力は不可欠だったという。大津線鉄道部が意思疎通を速やかに行えるアットホームな組織であった事が、限られたリソースの中で何度もプロジェクトを成功させている理由だ。

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