動くと驚く? 話題のアニメ『ニンジャスレイヤー』を制作 スタジオ・TRIGGERに聞くアニメ界の未来

アニメ

更新日:2015/6/26

アニメ界とともにスタジオも変わらねば!

「ソフト購入型のビジネスモデルは、終わりつつあると感じているからです」とは、同スタジオ代表の大塚雅彦︎氏。TRIGGER設立は、この時代を先取りした考えがあったからだ。

 ここでアニメ業界をざっくり説明すると、90年代半以降と、それ以前に分けられる。テレビ黎明期よりアニメは、テレビ局のスポンサーが提供する予算枠で作品が作られていた。それが1995年『新世紀エヴァンゲリオン』の放映が開始したころから、様相が変わった。
 放映した作品をパッケージ化し販売。その売り上げを見込んでの制作スタイルとなったのだ。だが近年その売り上げが下がりつつあるという。

「ソフト販売型ですと、一部の熱心なお客さんがアニメを支えているという構造です。近年では明るく楽しく気軽に、後腐れない作品が売れる傾向があります。メーカーさんとしては、当然売れるものを希望します。ですが、ソフトの売り上げだけで作品を評価していたのでは、多様性がなくなるではないかと危惧したことが、スタジオ設立の一因です」(大塚氏、以下同)

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 二次元の嫁が登場しなくとも、多くのファンを獲得するハイクオリティな作品は多い。けれど、ライトなアニメファンはDVDを購入することが減っている。より多くの人に観て欲しいとの思いがスタジオの原動力だ。

「アニメを観ている人の数は、以前とそんなに変わらないと思います。けれど、ケータイゲームなどいろんなエンターテインメントがあるなか、アニメだけに多くのお金を掛けられる人は少ないはずです。高額なソフトを購入するのは、コアなファンに絞られます。そこで、少しの人から多くをいただくより、多くの人から少しずつお金を出していただくスタイル変化していくのではないかと感じました」

▲穏やかな語り口とロマンスグレーが印象的なTRIGGER代表の大塚雅彦氏

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