「お願い! ヤらせて」下ネタ全開ギャグから学園コメディまで… 笑える百合マンガ

アニメ・マンガ

2018/7/2

 百合とは、女の子同士の“特別な関係”のこと。それを描いた百合マンガは、近年アニメ化する作品が増え、空前の盛り上がりをみせている。かわいい女の子たちを眺めているだけでも幸せなのだが、そこに笑えるギャグ要素が加わると…これ以上ない癒しマンガに! 本稿では、クスッと笑える女の子たちの日常を描いた学園コメディから、下ネタ全開で笑いを取りにくるギャグマンガまで、“百合”と“笑い”のふたつを兼ね備えた笑える百合マンガを5つ選んでみた。

■百合ブームの立役者! かわいさあふれる百合コメディ!

『ゆるゆり』(なもり/一迅社)

 まずは今の百合ブームのきっかけになった作品と言われている『ゆるゆり』(なもり/一迅社)だ。マンガやアニメを見たことがなくとも、Twitterで回ってくるなもり先生のイラストを目にしたことがある人はたくさんいるはず。いい子なのに存在感がない主人公の赤座あかり、「魔女っ娘ミラクるん」をこよなく愛するムードメーカーの歳納京子(としのう きょうこ)、京子と仲が良くいつもツッコミ役をしている船見結衣、そんな結衣のことが好きで仕方ない吉川ちなつの4人を中心に、タイトル通りのゆるくて百合な学園コメディが繰り広げられる。ギャグのキレと女の子たちのかわいさを兼ね備えた百合マンガ。

■金髪と黒髪! 世界をまたにかける百合!

『きんいろモザイク』(原 悠衣/芳文社)

 お次は、『きんいろモザイク』(原 悠衣/芳文社)。本作は、日本とイギリスの国際交流をテーマにした日常系4コママンガだ。主人公の大宮忍は、黒髪でおかっぱ頭、性格もおしとやかな大和撫子なのだが…実は海外に強い憧れをもつ、大の金髪好き。そんな彼女のもとに、ある日1通のエアメールが届く。差出人は、忍がイギリスにホームステイをしていたときのホストファミリーの女の子・アリスだった。今度はアリスが日本にやってきて、忍の学校に転校してくることに…。お互いのことが好きすぎる忍とアリスの空回りっぷりがおもしろおかしく描かれていて、癒されること間違いなし。

■毎話キスシーンあり! ちょっと過激な百合マンガ!

『桜Trick』(タチ/芳文社)

『桜Trick』(タチ/芳文社)は、ソフトな百合が主流であった日常系4コママンガの世界に衝撃を与えた作品だ。なぜなら、毎話必ず、女の子同士のドキドキするキスシーンがあるから…。廃校目前の高校に通う春香と優は、中学時代からの親友。春香は、高校で優にどんどん新しい友達ができていくことに嫉妬していた。そんな春香に対して、優は「私たちは、他の娘たちとは絶対しないことをしようよ。そしたら『特別』だよね」と言い出して…。春香と優は、お互いが「特別」であることを確認するために、隠れてキスを重ねていく。そんなふたりが周りにバレないようあたふたする姿や、ことあるごとにのろける春香の言動と、優の反応がおもしろい。主人公のふたり以外にも、同居生活を送るコトネとしずくや、普通の親友同士である楓とゆずなど、さまざまな距離感の百合を楽しめる学園百合コメディだ。

■地下アイドル×オタク!? 推しに捧げる愛も、まごうことなき百合!

『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(平尾アウリ/徳間書店)

『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(平尾アウリ/徳間書店)は、地下アイドルとオタクの関係をコメディタッチに描く百合マンガ。マイナー地下アイドル「ChamJam」の人気最下位のメンバー・舞菜には、収入の全てを彼女に捧げる伝説の女オタク・「えりぴよ」がいた。「舞菜が武道館いってくれたら死んでもいい」と言い切る「えりぴよ」は、いつも舞菜のCDを買い占めているのだが、握手会では不器用さゆえにふたりとも上手く話せずにいて…。メンバー同士のひめやかな百合や、いつ終わるかわからない地下アイドルの儚さなど、コメディ以外の見どころも満載。アイドル好きなら迷わず『推し武道』を読んでほしい。

■「とりあえず10万円用意してみたの!」 言ってることは不健全だけど、その思いは一途!

『将来的に死んでくれ』(長門知大/講談社)

『将来的に死んでくれ』(長門知大/講談社)は、描写的な過激さこそないものの、開幕から下ネタ全開のハイテンション百合コメディ。華の女子高生・菱川俊(ひしかわ しゅん)は、入学早々同じクラスの刑部小槙(おさかべ こまき)に一目惚れしてしまう。それからことあるごとに、札束を押し付けて「ヤらせて」と頼み込んだり、ホテルを見つけると「先っぽだけだから!」と大声で迫る。愛ゆえに暴走してしまい、ガツガツと小槙を攻めていく俊だが、ときおり見せる小槙のナチュラルな好意(「いいよ、ウチ来れば?」など)に逆に打ちのめされてしまう…これがかわいい。テンポの良いコメディが好きな人にはこの作品がおすすめだ。

 5つの作品に共通する魅力は、傍から見ていると笑えるくらいに突き抜けた「好き」という気持ちの純粋さと、それを上手く伝えられない不器用さ…だろうか。「好き」だからこそ、相手の言動に一喜一憂したり、空回りしながらも仲良くなろうとしたり、お金で気持ちをアピールしてみたりする。そんな彼女たちの姿は、普通ではないかもしれないけれど、見ているとたまらなく愛おしく思えてくるのだ。笑える百合マンガの世界には、そんな純粋で不器用な、かわいい女の子たちが待っている。

文=中川 凌