男子禁制☆峰なゆかのヒミツの更衣室『子供嫌い』

　はい、私も尾田栄一郎が嫌いです。
正確に言えば、尾田栄一郎が嫌いなわけではなくて、自分の評価と世間の評価との著しいギャップを憎んでいるだけなのですが。だって私、もっと評価されるべき漫画を知っているもの！

　今だったらまず百合姫で連載中の『百合男子』が超熱いし、夏次系だってさっさと単行本出してそれこそドン！と二億冊売れてもいい人達なんだもの！　好き！
　という他の漫画への個人的な愛情が、世間的に大々的に愛されている漫画への憎悪に変わってしまうのです。　子供も、世間一般では愛すべき存在として扱われています。我が子の写メを印籠のように見せつけてくるパパさんママさんの愛情を、単行本累計発行部数に換算すれば二億冊ですよ。
　
　「別にみんなが言うほど子供ってかわいくなくない？　もっと他にもかわいい生き物なんているじゃん！！　なんでコンペイトウウミウシとかキティブタバナコウモリを待ち受け画像にしないの！？」という他の生き物への愛情から、人間の子供を必要以上に憎悪してしまっている可能性があります。
　
　もし『ONE PIECE』が『ガロ』かなんかで、他の連載が落ちたときの代原として載っていたら、私は尾田栄一郎を絶賛するに違いないのです。
「なんでみんな尾田栄一郎をもっと評価しないの！？　ジャンプで大人気連載中で単行本が二億冊くらい売れるべき漫画なんだよ！！」と目を血走らせて宣伝しまくるに違いないのです。

　もし人間の子供が蛇蝎のように嫌われていて、口に出すのもおぞましい存在で、見かけたら即座に殺虫スプレーぶちまけられるような扱いを受けていたとしたらどうでしょうか。
　「そこまでひどいことしなくても……。子供、かわいいじゃん！！」って気持ちになってこないでしょうか。
　とはいえ、現実世界では『ONE PIECE』が愛され、子供が愛されています。

　それにイラッときてしまうのは、私やあなたが人でなしだからなのではなく世間の問題なのですから、むざむざ子供が嫌いだと宣言して自分の評価をさげることはありません。
　私も尾田栄一郎の悪口なんて書いて出版業界から抹殺されたくはありませんので、尾田栄一郎先生、『ONE PIECE』は本当にすばらしい漫画ですね！