『天気の子』は『君の名は。』を上回る好スタート!「怯まずに表現し続けていく」新海誠監督、RADWIMPSとの裏話も披露

マンガ・アニメ

2019/7/24

 大ヒットを記録した『君の名は。』から約3年。7月19日(金)、新海誠監督の最新作『天気の子』が公開初日を迎えた。同日、TOHOシネマズ日比谷では初日舞台あいさつが行われ、新海誠監督のほか、醍醐虎汰朗や森七菜、本田翼、小栗旬など主要キャスト5名が登壇。作品に対する想いを語った。

 公開11日前に完成したという『天気の子』。初日を迎えた率直な気持ちを聞かれた新海監督は、「本当に完成するのだろうかと思うことが最後までありましたが、とうとう観ていただけて夢のようです」と安堵の表情を浮かべる一方で、「この映画は、自分のすごく大事な人の幸せか多くの人たちの幸せのどちらを選ぶかというところで少しわがままな選択をします。その反応が怖くもあり、楽しみ」と複雑な心境を吐露。また、前作『君の名は。』が大ヒットしたことを受け目標を問われると、「この映画を観て、少しでも楽しい気持ちになっていただけたら。それさえあればいい」と謙虚な姿勢を見せた。

 約2000人の中からオーディションで主人公の座を射止めた醍醐は、「すごく胸がいっぱい。約半年間、一流の方々が携わる作品に主人公として身を置かせていただいて、役者としても、人間としてもステップアップできたのではと思います。感謝の気持ちでいっぱいです」と語り、ヒロイン・天野陽菜を演じた森は、「本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。大変だったことも、すごく楽しかったこともいっぱいありますが、その集大成がこうしてみなさんに届いて、やっとみなさんと(作品について)語り合えるなと。色んな感想をお聞きしたいですし、たくさんお話しできたらと思っています」と感無量の様子。

 そんな2人を見て、「いつアフレコに行ってもみんなが初々しくて、今日も出番前に『緊張するね』と話しているのを聞いて、取り戻さなきゃな、その気持ち」と冗談交じりに話す小栗は、「純粋さみたいなものが素晴らしいと思いましたし、勇気をもらいますね。監督もおっしゃっていましたが、わがままな選択かもしれないけれど、そのわがままな選択をすることはなくなっていく。『若いからできる』と言わず、いつまでも選択できる自分でいたいなと思います」としみじみ語った。

 本田も「穂高君のまっすぐで周りを見ず、何を言われても聞かずに突っ込んでいく姿勢は大人の自分から見るとすごく無謀に思えて止めたくもなるんですけど、その気持ちをも変えてしまう強い力、監督の強い想いを感じました」とそれぞれ本作の魅力をアピールした。

 また、新海作品といえば、物語に華を添える音楽にも注目が集まるが、小栗は「音楽の力ってすごいんだな」と感じたといい、新海監督はRADWIMPSとの裏話を披露。穂高がパトカーに乗せられるシーンではピアノ曲を予定しており、すでに完成していたそうだが、「映像に合わせるときに『なんか違うんじゃないか』といって、その場で編集をしだして、ピアノを全部抜いたんですよ。そこをチェロに変えて、弦楽器が最初に鳴るようにしたら、さらに映画が一段上がった。一回完成したのに、RADWIMPSは“まだやる”としつこいんですよね(笑)」と制作時の苦労を笑いに変え、会場を盛り上げた。

 最後に、「ちょうど公開の前に痛ましい事件がありまして、どういう気持ちで初日に臨めばいいのかと思ったりもしましたが、ここでみなさんのお顔を見られて、やはりどういうことがあったとしても、自分たちや誰かを傷つける可能性もゼロではないけれど、怯まずにエンターテインメントを作って、表現し続けていくことが自分たちの生業であり、役目であり、一番やりたいことなんだなと改めて思いました。楽しい映画、気持ちが晴れて青空になるような映画を作ったつもりです。これからもっとたくさんの方に観ていただきたく思いますので、『あの映画よかったよ』『気に入らないところもあったけど、色んな議論をしてみたいから君も観てみて』という風に周りの人に勧めていただけたら幸せです」と新海監督が呼びかけ、終始和やかなムードのまま初日舞台あいさつを終えた。

 公開初日の動員数では『君の名は。』を上回り、好スタートを切った『天気の子』。この夏、大注目の映画となりそうだ。

取材・文=明日陽樹/TOMOLO 撮影=内海裕之