岩田剛典・新田真剣佑共演で映画化! 幼なじみふたりの“プロポーズ大作戦”の裏に潜む驚愕の真実は?
『名も無き世界のエンドロール』(行成薫/集英社文庫)
空高く放り投げた花びらを拾い集めるように、世界の断片をひとつずつ集めていく物語だ。30歳、17歳、24歳、20歳…と時を行きつ戻りつしながら描かれるのは、31歳になったキダと幼なじみのマコトが進める“プロポーズ大作戦”の全貌。と言うと、甘さたっぷりのラブストーリーを思い浮かべるかもしれない。だが本書『名も無き世界のエンドロール』(行成薫/集英社文庫)を読み進めるうちに、その予想は大きく裏切られることとなる。
語り手のキダとマコトは、小学校時代からの腐れ縁。マコトの生きがいはドッキリを仕掛けること。握手と見せかけて相手に電気ショックを与えたり、キダのコーラを目いっぱい振った缶とすり替えたり。他愛のないイタズラだが、キダはいつもドッキリに引っかかり、マコトを大いに笑わせていた。
そんなふたりに、新たな仲間が加わったのは小学5年生のことだ。彼らのクラスにやってきたのは、金髪のヨッチ。前の学校でいじめに遭い、転校を余儀なくされた少女だった。転校初日から陰湿な担任教師にいびられていたヨッチを、窮地から救…