和田正人「物心ついた頃から周囲は坂本龍馬でいっぱいでした」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回は、俳優集団D-BOYSの10周年記念公演「駆けぬける風のように」で主演を務める和田正人さんが登場。足はめっぽう速いが、剣術も学問もまるでダメな新選組隊士・立川迅助を演じるにあたり、幕末という時代に思いを巡らせるうちに気づいたこととは?
四国は高知県、土佐の生まれである和田さん。
「土佐というところは、左を見ても右も見ても龍馬で溢れているんです。 ご当地コマーシャルのキャラクターもだいたいが龍馬(笑)。そんな環境で育ったので、自然と『龍馬ってすごい人だったんだなあ』と思うようになりました」
それだけに龍馬と真反対の価値観で動く新選組には、やはり少し距離を感じてしまう。
「大政奉還の後、世の中がどんどん変わっていこうとしている時代に、あくまで古い価値観にこだわったのが新選組です。隊士それぞれが幕府への忠義や武士としての誇りをかけ、戦うことも厭わない。ですが、一方には戦いに異を唱える人間がいて、その代表格が坂本龍馬です。彼は、どこまでも…