女性医師の結婚率は3人に1人!? 女子研修医が見た知られざる医者の世界とは? お仕事応援コミックエッセイ

マンガ

公開日:2024/4/18

まどか26歳、研修医やってます! 女の子のお仕事応援コミックエッセイ

 医者の世界はまだまだ男社会だ。医師国家試験に合格している人の3分の1が女性だとはいえ、ほとんどは男性医師。オペ室の室温が低くて女性には寒すぎるなど、男女の違いが出てくるシチュエーションがある。

まどか26歳、研修医やってます! 女の子のお仕事応援コミックエッセイ』(水谷緑/KADOKAWA)は、そんな病院で巻き起こる事件にバタバタしながらも奮闘する女子研修医が主人公だ。

まどか26歳、研修医やってます! 女の子のお仕事応援コミックエッセイ

advertisement

 主人公の若月まどかは外科医を目指している研修医1年生。元気で負けん気が強く、見ているとこっちまでエネルギーがわいてくる。医学部を卒業したばかりでまだ経験がない段階を研修医と呼び、研修医期間は2年間。その間にいろんな科を回り、将来働く科を決める流れになっている。本作はまどかが研修医期間に悩み問題に立ち向かっていく姿を、親しみやすい絵柄とコメディタッチで描いている。

 まどかが直面する出来事のひとつに、仕事とプライベートの両立の難しさがある。病院での勤務は不規則で、恋人や結婚相手を見つけるのが一苦労だ。また、研修医が終わったら専門医を目指すのだが、年齢でいうと30歳前後は医師としての成長と結婚・出産のタイミングがちょうど重なってしまう。仕事と結婚や出産のどちらの幸せも掴もうとすると、人一倍要領よく動かなければならない。医者以外の職業でも、この問題はつきまとう。同じ悩みを持った女性はうんうんと共感できるだろう。

まどか26歳、研修医やってます! 女の子のお仕事応援コミックエッセイ

 点滴が上手くできなかったり突然コードブルーが鳴って心臓マッサージをしたり、まどかの毎日は挑戦だらけ。はじめての経験に苦戦しつつも働くまどかの様子に、「私もがんばらなきゃ」と励まされる。“お仕事応援コミックエッセイ”の名の通り、まどかに感化されてやる気がふつふつと出てくるのだ。

まどか26歳、研修医やってます! 女の子のお仕事応援コミックエッセイ

 ただ、研修医の仕事は大変なことだけではない。同じく病院で働いているカッコいい先輩の姿も描かれている。やさしくてキュンとする場面もある菅野先輩やカリスマ外科医の城崎先生、泌尿器科のエキスパートである角田先生など、個性豊かな先輩たちが登場するのだ。

まどか26歳、研修医やってます! 女の子のお仕事応援コミックエッセイ

 その中でも特にまどかが尊敬しているのが、乳腺外科の内田先生。内田先生は女性の医者で、まどかと話が盛り上がることがある。理想の胸の位置についてキャッキャと語る2人は、仕事とは別の顔を見せていてほのぼのとする。内田先生にまつわるエピソードはコミカルなものが多く、読んでいるとクスッと笑えて楽しい。かわいらしい面だけじゃなく、病院で働く女性としてまどかにビシッと言う場面もあり、頼もしい先生だ。

まどか26歳、研修医やってます! 女の子のお仕事応援コミックエッセイ

まどか26歳、研修医やってます! 女の子のお仕事応援コミックエッセイ

 本作はスペシャル企画と題して、腐女医・さーたりさんのインタビューが掲載されている。医者にまつわる質問や女性医師に関する質問などに、端的にさーたりさんならではの回答をしているのが見どころ。まどかのような女子研修医には共感と学びが多い作品だ。それだけじゃなく、男社会で苦悩しながらも働く女性にもオススメできる。「あるある!」と楽しく読みながら、仕事をがんばる自分に寄り添ってくれるだろう。

文=ネゴト/ まわる まがり

あわせて読みたい