【最高の贅沢を知っていますか?】 現代が忘れてしまった手作りおやつのススメ

食・料理

2018/2/3

 がんづき、すり焼き、かいもち…日本中のおばあちゃんが昔から作り続けてきた懐かしいおやつ。幼い頃に食べた素朴で優しい味は、おばあちゃんとの記憶も一緒によみがえらせてくれるものです。『おばあちゃんとおやつ』(産業編集センター)は、全国各地のおばあちゃんたちが昔から大切に作ってきたおやつと、レシピを紹介した食エッセイ。おやつの話を通して、昔の思い出や家族との絆、地域の物語が見えてくる、作っても見ても楽しい1冊です。北海道から沖縄のおばあちゃんが20のおやつを紹介しています。

「『おやつ』なんていっても、今の人みたいに洒落たものなんか作らないよ」と語るのは新潟県新潟市にお住まいの本間テルさん(91歳)と斎藤チイ子さん(83歳)。お二人が毎年春と秋のお彼岸に必ず作るおやつが「かいもち」。稲を刈った後や、まんがおろし(牛を使った代掻き)の時のご馳走やお祝いに作って食べたそう。「かいもち」とはいわゆるおはぎのこと。つかないで、手でかいただけのお餅ということから、そう呼ばれるようになったのだとか。

■おやつにはおばあちゃんの生きてきた歴史が詰まっている

 実は、本書の制作に2年もの年月を費やしたとか。人前で話をすることや、台所に人を招き入れるのはちょっと…など恥ずかしがり屋のおばあちゃんに取材を受けてもらうのには時間がかかったようですが、一度心を開いてお話すると、おばあちゃんの昔の思い出話をしてくれたそうです。そんな本書は見ているだけでどこか懐かしく、ほっこり温かくなります。

■おやつに込められた愛情

 おやつに対する思いは人それぞれ。今では簡単にコンビニで買えてしまう時代だからおやつを作る人は少なくなっているかもしれません。けれど、大人になって思い出すのは、おばあちゃん、おかあさんの作ってくれた手作りのおやつ。大切な人と一緒に食べた記憶が大人になって支えになることもあるでしょう。

 いつもは買ってくるおやつも、週末はおばあちゃんの特製レシピをまねて、作ってみてはいかがでしょうか。愛情の詰まったおやつを通して、大切な人とかけがえのない時間を過ごせるでしょう。

文=白瀬みなみ