妻が絶望する、夫のセリフ5選――ムダな夫婦喧嘩を防ぐために夫がすべき振る舞い

恋愛・結婚

公開日:2018/10/20

『妻のトリセツ』(講談社+α新書)

 妻が怖い…。素直に吐き出せるかどうかはさておき、そんな思いを抱える夫が増えているという。結婚生活に夢を見ていたなんて過去の話。年々、夫婦生活を重ねていると、そこにある種のあつれきやヒエラルキーが生まれるのもありがちで、家の中では言えない妻への愚痴を、場末の居酒屋で同僚や友人に吐き出す場面も増えてきたりする。

 夫婦のすれ違いが起きる原因。それは、男性脳と女性脳のちがいにあると主張するのは、脳科学に精通する黒川伊保子さんの書籍『妻のトリセツ』(講談社+α新書)だ。本書は、夫という役割をどうこなすかを“ビジネス戦略”として捉え、脳科学の見地から夫に対して妻への向き合い方を指南する一冊である。

■体験と感情を併せて記憶する女性脳。夫の一言で過去の“無神経発言”が再燃!

 さて、妻はなぜ夫にイライラを募らせるのだろうか。脳科学の視点からその理由を解説する本書では、女性脳が持つある能力に一つの要因を求めている。

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 そもそも女性脳が“共感”を求める傾向にあるというのは、この手の話ではよく聞くことでもある。さらに、女性脳は「体験記憶に感情のフックをつけて収納しているので、一つの出来事をトリガー(引き金)にして、何十年分もの類似記憶を一気に展開する能力」を持ち合わせているという。

 例えば、夫婦間のコミュニケーションにおいて、ちょっとした一言が大喧嘩に発展するというのはわりとありがちな話。その場合、目の前で発した言葉に対してというより、夫が発した過去の無神経な発言が、女性脳特有の能力により鮮明に蘇っている可能性もあるというわけだ。

■女性脳には対しては“共感”がベスト。夫の“優しさ”を記憶にインプットする

 では、このようなすれ違いを防ぐにはどうするべきか。本書は、態度だけでもいいから「共感するフリ」をするよう促している。

 妻がもし今日あった出来事の愚痴を吐いているのならば「今日一日がどんなに大変だったか」を聞いたあとは「うん、うん、わかるよ」とうなずくことに徹する。男性脳は“問題解決”を図ろうとする思考の癖があるのだが、そこはグッとこらえて、ただひたすら聞き役にまわるということだ。

 すると、先に挙げたように“体験記憶”が根付きやすい女性脳には「私が本当にしんどかったとき、夫は優しく寄り添ってくれた」という記憶が残る。そうなればおのずと、夫の優しさが次第に妻へと伝わるはずだ。

■察してほしい女性脳。夫が妻を“絶望”させるセリフ5選

 体験記憶のほかにも、女性脳にはいくつかの特徴がある。本書にある「相手が何も言わなくても、何を求めているか、どうすれば相手が嬉しいか、その意図を察して生きている」というのもその一つで、反対に、相手に「言わなくても察してほしい」と願う傾向もあるのだという。

 これをふまえた上で、本書では夫が言いがちな「妻を絶望させるセリフ」が取り上げられている。黒川さんからのアドバイスも解説されているので、併せて紹介していく。

1)だったらやらなくていいよ
家事が大変だと訴える妻に言うと、「君がいつもやっていることは、僕にとってはそれほど重要ではない。やらなくても気にならない」と聞こえる。

2)つまりこういうことだろ?
愚痴に対しては「わかるよ。大変だね」と共感で十分。頼んでもいない要約や解決策の提示は余計なストレスを増やすだけ。

3)おかず、これだけ?
夫がご飯とおかずの塩梅を計るために聞いた一言でも「たったこれしかないの?」と聞こえる。余計なことは言わずに様子を見よう。

4)今日何してたの?
家事が思うようにできなかった妻には「一日中家にいて、家事も満足にできないのか」と聞こえる。

5)いいな~。君は一日◯◯(子ども)と一緒で
それが何よりツライと感じる妻もいる。そういう自分を責めていたりもする。

 これら5つのセリフは、あくまでも本書にある限りだ。大切なのは、妻の気持ちをしっかりと汲み取り“察する”ということ。さりげない一言が、思わぬ喧嘩の火種になるのはやはり避けておくべきだ。

 さて、夫婦のすれ違いを防ぐために必要な意識を、いくつか紹介してみた。本書ではこのほかにも、さまざまなアドバイスが詰め込まれている。悩める夫のみなさんにはぜひ、妻の目にふれぬようこっそりと手に取ってもらいたいものである。

文=カネコシュウヘイ