史上最大の“騙し合い”!! 長澤まさみ×東出昌大×小日向文世が熱演する映画『コンフィデンスマンJP』をより楽しむ方法

エンタメ

2019/5/17

『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(古沢良太:脚本、山本幸久:小説/ポプラ社)

 5月17日より全国ロードショーされる『コンフィデンスマンJP』。昨年4月期の人気ドラマ(フジテレビ月9枠)の映画化とあって注目を集めている。

「コンフィデンスマン」とは、相手を信用させて金品を騙し取る信用詐欺師のこと。シリーズの主人公・長澤まさみ演じる「ダー子」、東出昌大演じる「ボクちゃん」、小日向文世演じる「リチャード」、小手伸也演じる「五十嵐」はこうした凄腕コンフィデンスマンであり、一見普通の人っぽい彼らが金融・不動産・芸能など様々な業界に蠢く欲望にまみれた人間たちを手玉に取り、まんまと大金を騙し取る姿が楽しいエンターテインメントコメディだ。

 まさに「裏の裏をかく痛快さ」が人気の秘密だが、それもそのはず。脚本は『リーガル・ハイ』『ミックス。』など数々の人気ドラマや映画を手がけた吉沢良太氏だ。今回、スケールアップした映画もその期待を裏切らず、ドンデン返しに次ぐドンデン返しに大興奮するだろう。

 公開は目前だが、それでも待ちきれないという方は、人気作家の山本幸久氏が小説化した『コンフィデンスマンJP ロマンス編』(古沢良太:脚本、山本幸久:小説/ポプラ社)で一足先にコンフィデンスワールドをどうぞ。脚本がベースなのでネタバレ必至ではあるが、そのテンポの良さとユーモラスな筆致にグイグイ引き込まれ、頭の中に自動的に映像が浮かぶ「小説」ならではの面白さを堪能してほしい。

 物語の舞台は香港。今回のターゲットは、香港マフィアの女帝であり、その冷酷さから〈氷姫〉という異名を持つラン・リウ。狙うは彼女が持つといわれる伝説のパープルダイヤ(時価318億円相当)だ。とはいえランは人前に姿を現さないため本当の彼女の顔を知る人間はほとんどおらず、香港についたダー子たちが始めたのは、まずはランと思しき女性を探すことからだった。なんとか「90%の確率でランと思われる女性」を見つけ出し、占い好きという彼女の関心を得ようと「謎の占い師姉妹」になりすまして接触を図るダー子とその弟子・モナコだったが、慎重な彼女はなかなかエサに食いつかない。2人が奮闘する中、天才詐欺師ジェシーが同じくランのダイヤを狙っていることがわかる。しかも超絶イケメンの彼はまんまとランと恋仲となっており、大きくリードされていた。さらに、以前ダー子たちに騙された恨みを持つ日本のヤクザ・赤星の影もちらつき始め…。今日の味方は明日の敵?! 様々な思惑が入り乱れ、果たして勝つのは誰なのか――。

 正直、映画の原作やノベライズ本というのは、映画を見る前と後のどちらで読むべきか悩みどころだ。ちなみに小説版はモナコの視点で書かれていて、各登場人物の紹介が彼女の素直すぎる感想によるものなのだが、それが「長澤まさみ似の」とか「東出昌大似の」とかいちいち具体的すぎるボキャブラリーなのがミソ。キャストをチェックする手間がいらず、まるで映画のようなリアルな脳内自己流映像が浮かんでくるのだ。それを実際の映画と比べるのもよし、もちろん後で振り返って読むのもよし。映画をより楽しめるのだけは間違いない。

文=荒井理恵