ショウガの薬効は加熱するとパワーアップ!「蒸しショウガ」のすごい効能/お医者さんがすすめる 不調を治す10倍ショウガの作り方

健康・美容

更新日:2022/12/26

ジンゲロールとショウガオールのすごいパワー!

 くわしくは第3章で解説しますが、蒸しショウガ(乾姜)の作り方は、生のショウガを1ミリ厚くらいにスライスし、30分くらい蒸して加熱、そのあと天日干しや室内乾燥でカリカリになるまで乾燥させる、ただそれだけです。

 なぜ生のままでもすぐれた薬効を示すショウガを、わざわざ蒸したり乾燥させたりするのでしょうか。

 それは、ショウガの持つ体を温める効果が、加熱することでさらに増加するからです。いまから数千年前の人々がそれを知っていたということに、私は頭が下がる思いがします。

 ショウガにはたくさんの薬効がありますが、一番大きいものは体を温める効果。これをもっと引き出せば、冷えが悪さをしている人に強烈に効くだろう。昔の人たちはそう考えて試行錯誤の末に蒸しショウガにたどりついたのだと思います。

 わりとポピュラーで西洋医学にもよく使われる漢方薬に、小柴胡湯など柴胡湯の系統があります。これには小柴胡湯、大柴胡湯、柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯などがありますが、この中でとくに体の弱っている人をサポートするために使われるのが柴胡桂枝乾姜湯という薬です。

 名前からもわかるように、ほかの3種類もみなショウガが使われているのですが、これのみ乾姜が配合されています。つまり蒸しショウガは体力のない、体の弱った人向きのパワー食品として、はるか昔から使われていたわけです。

 具体的にいうと、ショウガにはジンゲロールという成分とショウガオールという成分が含まれていて、これらがショウガの効能を示すといわれています。生のショウガのなかに、ジンゲロールはショウガオールの数十倍あります。

 生のショウガに多く含まれているジンゲロールの効能は、頭痛や吐き気を抑え、血流を促進して体を温めることです。殺菌作用や胆汁の分泌を促進する作用があり、免疫力を高める効果や、抗ガン効果も確かめられています。血管を拡張させ、血流を促進する効果もあります。

 もう一方のショウガオールは、体を発熱させて体温を上昇させます。ジンゲロールの体を温める効果は血行促進によるものですが、ショウガオールは体内の脂肪や糖質の燃焼を促進させて体温を上げます。このためダイエット効果もこちらのほうが期待できます。

 また、血液をサラサラにし、血管を拡張して血行をよくします。免疫力を高め、コレステロールを下げ、消化吸収能力を高めます。抗酸化作用や抗菌、解毒作用もあります。つまりジンゲロールとショウガオールの効能には少し違いがあるわけです。

お医者さんがすすめる 不調を治す10倍ショウガの作り方

 ショウガを加熱したり乾燥させたりすると、ジンゲロールがショウガオールに変わります。生のショウガは、大半がジンゲロールでショウガオールは少ししか入っていませんが、蒸しショウガはショウガオールの割合が増えています。これが蒸しショウガのパワーの理由です。

 体内の燃料である脂肪や糖質を効率よく燃やして熱に変えてくれるショウガオールの効能は、蒸しショウガが最もたくさん持っているといえます。

 加熱すればいいといっても、あまりに高温で処理してしまうと、有効成分が壊れてしまい、薬効を高めることができません。そこで「蒸す」という穏やかな加熱方法がとりいれられたのです。

 また、蒸籠を何段も積み重ねて使えば、大量のショウガを一気に加熱処理することが可能になります。「蒸してから乾燥する」という蒸しショウガの製造プロセスは、数千年にわたる人類の叡智といっても過言ではありません。

 ではこれから、蒸しショウガで劇的な健康回復を果たしたみなさんの声を聞きながら、その秘密に迫っていきましょう。

<第3回に続く>

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