認知症改善の効果も期待できる完全栄養食品「卵」。保存食レシピ3種とアレンジ法/私がいつも食べている季節の保存食

暮らし

公開日:2023/1/29

 日本人の寿命はどんどん延び、「人生80年」から「人生100年」時代へ向かおうとしています。健康に生きるために大事にしたいのが「1日3食」。とはいえ忙しいなか、日々しっかり食べるのは難しいと思っている方も多いはず。

「ちゃんと食べて、ちゃんと生きる」を実行しているのは、80歲の現役料理研究家・村上祥子さん。ふだん村上さんが作り置きしている保存食の作り方を、『村上祥子80歲 私がいつも食べている季節の保存食』にまとめました。

「なんだか手間暇がかかりそう…」と思った方、心配ご無用。“漬ける、煮詰める”は、電子レンジにお任せ! 簡単においしい保存食が作れます。ぜひ実践して、健康で豊かな生活を送りましょう!

 栄養面のほか、認知症改善の効果も期待できる卵は、「完全栄養食品」とも言える食材。「味卵」「ゆで卵のピクルス」「塩卵」として保存し、どんどん活用しましょう。

※本作品は村上祥子著の書籍『村上祥子80歲 私がいつも食べている季節の保存食』から一部抜粋・編集しました

村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食
『村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食』(村上祥子/KADOKAWA)

【前回】塩分過多予防に! 村上式・酵母菌が生き生きした「炊飯器で作る生みそ」とは?/私がいつも食べている季節の保存食

村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食

卵はアミノ酸、ビタミン、ミネラルをバランス良く含んだ「完全栄養食品」です。特に卵黄に含まれる脂質の中には、リン脂質のホスファチジルコリンといわれる成分が含まれています。高知医科大学(現高知大学)学長であった、アルツハイマー型認知症の権威・池田久男博士は、ラットを使って認知症やパーキンソン病を予防改善する研究を行ってきました。ホスファチジルコリンを含むリン脂質を「卵黄コリン」と命名して研究を進め、その結果、ビタミンと卵黄コリンを一緒に摂ると認知症の改善に効果があることを突き止めました。

卵は栄養バランスも良く、価格も安定しているので毎日欠かさずに摂りたい食品。できれば保存のきく味卵などにして、調理なしですぐ食べられるようにストックしておくと、便利です。

味卵

村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食

・卵1個分77kcal
・塩分0.8g

材料 (10個分)
卵…10個
麺つゆ(2倍濃縮)…300ml

作り方

村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食

1 鍋に水1.5L(分量外)を入れて沸騰したら、お玉などで冷蔵庫から出したばかりの卵を1個ずつ加える。ふつふつ煮立つ程度の中火で6分加熱し、火を止める。

村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食

2 ボウルに水1.5Lと氷500g(いずれも分量外)を入れて冷水を用意しておき、網じゃくしで卵を移し、3分浸す。

村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食

3 平らな硬い場所に卵の天地をコンコンと打ちつけ、横にして側面をゴロゴロと転がして卵全体にヒビを入れたら、氷水の中で殻をむく。

村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食

4 ふた付きの容器に麺つゆを注ぎ、卵を加えたらキッチンペーパー1枚を直にかぶせる。

5 ふたをして冷蔵庫に入れ、4時間漬けたら汁から引き上げ、ふた付き容器に移して冷蔵する。漬けたままだと黄身が硬くなる。

・冷蔵で1週間保存できる。
・麺つゆは薄めないで使う。

村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食

ゆで時間の目安
黄身がトロトロに仕上げたいとき…6分加熱
もう少し硬めに仕上げたいとき…7分加熱
固ゆでに仕上げたいとき…12分加熱

ゆで卵のピクルス

村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食

・卵1個分77kcal
・塩分0.7g

材料 (500ml瓶1個分)
半熟卵…5個
好みの野菜にんじん、きゅうり、大根、パプリカ、ピーマン、セロリなど(ひと口大に切る)…合わせて200g
ピクルス液の材料
・ローリエ…1枚
・シナモンスティック…1本
・粒黒こしょう…小さじ1
・赤とうがらし…1本
・にんにく…1片
・酢…50ml
・砂糖…50g
・塩…小さじ1/2
・水…200ml

作り方

村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食

1 瓶にピクルス液の材料を入れてよく混ぜる。

村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食

2 殻をむいた卵を入れ、野菜も入れたらふたをして冷蔵する。翌日からおいしく食べられる。

・冷蔵で1週間保存できる。
・タルタルソースや卵サンドを作るときに使うと便利。

村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食

サラダに添えて
好みの野菜をサッとゆでた温野菜にゆで卵のピクルスと漬けた野菜を添える。一緒にいただくと調味料は不要です。

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村上 祥子
料理研究家・管理栄養士。福岡県生まれ。2022年2月で満80歳を迎えた。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。同大学内「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。著作は500冊以上。主な近刊に『祥子さん この知恵、いただきます。』『80歳、村上祥子さんの元気の秘訣は超かんたんレンチンごはんだった!』『 村上祥子さんの食べると生きる人生最高のレシピ』などがある。