「手抜き=ネガティブなこと」じゃない。複雑化する現代で手を抜くことは重要なスキルである/そんな我慢はやめていい

暮らし

公開日:2023/10/21

 現代社会では、仕事、育児、人間関係などのあらゆる場面で「我慢」がつきもの。でもその我慢、あなたの幸せにつながりますか?

 『そんな我慢はやめていい 「いつも機嫌がいい自分」のつくり方』は、人生を幸せにする「意味のある我慢」と、幸せにつながらない「意味のない我慢」を区別する視点を与えてくれます。「意味のない我慢」からは逃げてもいいし、無理してがんばらなくてもいいのです。

 他人の目、場の空気、同調圧力などを気にせずに、自分らしくご機嫌で生きられるヒントを探してみませんか?

 今回は“手抜き”について。手抜きは決してネガティブなものではありません。誰しも全方位に努力を割くことは不可能です。自分にとって最も重要な「押さえどころ」に集中しましょう。

※本作品は『そんな我慢はやめていい 「いつも機嫌がいい自分」のつくり方』(午堂登紀雄/日本実業出版社)から一部抜粋・編集しました

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そんな我慢はやめていい 「いつも機嫌がいい自分」のつくり方
『そんな我慢はやめていい 「いつも機嫌がいい自分」のつくり方』(午堂登紀雄/日本実業出版社)

手抜きとは本質の追求であり工夫である

●手抜きはネガティブなものではない

「どうすれば手を抜けるか」を意識すると、我慢をやめることができます。

 我慢をしている状態は肉体的にも精神的にも負荷がかかっている状態ですが、手を抜けばそれら負荷が減少し、ストレスを解放することにつながるからです。

 たとえば人間関係でも、相手から好かれようとすれば自分の主義主張を控えて相手に合わせようとしますから、ときに我慢を強いられます。しかし「手を抜けばいい」と思えば、自然体で接することができるでしょう。

 家事も一生懸命やれば疲れますが、「手抜き」をすればササっと終えることができる。料理も手を抜いて総菜を買ってきてお皿に移せば、調理の手間から解放されます。

 そんな手抜きという言葉には、どこかネガティブな響きがあると思います。「手を抜くな」「何事にも一生懸命取り組め」などという価値観が支配していることもあるでしょうし、「それは手抜きだ」「手を抜いている」と指摘されれば後ろめたい気分になるでしょう。手抜きをすることには罪悪感もあるでしょう。

 しかし私は、手抜きをする発想と技術、そして手抜きをする勇気は、複雑化する世界を生きるうえで、ますます重要になってくると考えています。

 手抜きとは、より本質的かつ重要なタスクに時間とエネルギーを割くために、そうではないタスクを短時間で省力化してこなすことだからです。

●目的を明確にすれば最短コースが見つかる

 すべてに均等に時間と労力を費やすのは無駄が多いし疲れます。

 たとえば満員電車のなかで押されまいと突っ張っていたために、会社に着く前に疲れてしまうようなものです。通勤そのものは別に重要ではなく、重要なのは仕事で成果を出すことのはず。ならば電車のなかではあえて力まず人の流れに身を任せ、体力を温存しておくほうが望ましいでしょう。

 仕事でも家庭でも生き方でも、全方位の努力は資源の無駄遣いであり、自分にとって最も重要な「押さえどころ」にリソースを集中投下することが重要です。

 そのためには、目的や成果から逆算し、最も効率的なプロセスを考え選択する必要があります。そもそもゴールが明確でなければ、最短コースは見つけられないでしょう。

 そういう意味でも「手抜き」とは、物事の本質を見極められる知性を持つことであり、きわめて合理的かつクリエイティブな行為であることがわかります。

 逆にいえば、手抜きができない人は知的能力を高める必要があります。考えるのが面倒だから最速・最短の方法が見つけられない。「手抜きはいけない」という固定観念にとらわれているから、そのほかの方法を模索できない、というわけです。

 つまり「手抜きとは知性であり、発想の柔軟性である」というのが私の考えです。

<第3回に続く>

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