怒りを爆発させた女が、敵将を井戸に放り込む!? 大王も笑って許した彼女の勇気とは/つい人に話したくなる名画の雑学④

文芸・カルチャー

公開日:2023/12/17

つい人に話したくなる名画の雑学
1568年 油彩、パネル(板) 654×832㎜ ナショナル・ギャラリー(アメリカ、ワシントン D.C.)

優しい人ほど怒らせると怖い!

『神殿から商人を追い払うキリスト』

エル・グレコ
【ギリシャ 1541~1614年】

誰に対しても容赦なし! 狂戦士モードのキリスト

 愛の人キリストは、生涯に1度だけ怒りで狂戦士モードに入った事があります。これは父なる神を祭る神殿が、悪徳な両替商や捧げものの売り子に占拠されていたため。誰にでも解放されていたのを良い事に、商人たちが悪徳な商売をして、この神殿を汚していたのです。「聖激怒」した彼は、なんと革製の鞭を手に暴れ回り、不埒な商人たちを叩き出したのでした。無論、女性や子どもに対しても容赦なし。普段優しい人は怒らせると怖いという典型例ですね。

信心深いエル・グレコの作品は8割以上が宗教画

 エル・グレコはスペインの巨匠ですが、実はギリシャのクレタ島出身。本名はドミニコス・テオトコプロスですが、スペイン人からしたら言いにくい名前だったのでしょう。シンプルに「あのギリシャ人」という意味で通称がエル・グレコとなりました。

 作品は8割以上が宗教画で、信心深い性格であったように思えますが、ちゃっかりヘロニマ・デ・ラス・クエバスという愛人との子どもを抱えていたようです。

<第5回に続く>

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